洗面器のなかの水中モーター

 さて、四代目パソコンもどうにか本格始動となったようで、まずはめでたい。もうネット関係のことを書くと、その方面のスキルレスさ丸出しなので、もう書かないことにする。今日だけは。
 ところで、おっとと、忘れていた水中モーターの話である。
 何日か前に、水中モーターの専用モデルの模型が出たけれど、それがどのようなものであったのかは具体的に覚えていない、とまで書いた。
 そう、あの水中モーターが船底にピッタリと収まるあのモデルには、きっと具体的な想定モデルがなかったのではないだろうか。その前まではサブマリン707やジュニア艇、あるいはポラリス型原潜など、それ自体としてインディペンデントなプラモデルに吸盤に付着させて遊んでいたわけだけど、進化した水中モーター専用モデルは、専用という利便性が先に立っているので、何らかのモーターボートかあるいは魚雷艇といった、いわば仮の想定はあったのかもしれないが、それがキャラとしての魅力を付与されてはいなかったのだ。
 というわけで、水中モーターの専属専用模型として、それらは機能は完成されたものではあったのだけど、たぶんその完成度がゆえに、すぐに飽きられたのではないだろうか。あの日のガキどもは何の苦も無く風呂屋の湯船のあっち側まで軽快に進むプラモデルよりも、たまには内部に浸水して底に沈んだままで、探し出さなくてはならなくなったプラモデルを愛したようだ。
 と書いてきたが、水中モーターが世に出たのは1967年のことで、私が東京の近郊に引っ越して家風呂となったのが1968年である。つまり水中モーターの衰退期を体験してはいないのだ。そのせいなのか、今でも柴又の北の湯に向かうガキどもの洗面器には、水中モーターが忍ばせてあるような気がする。