2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

近くの旅客 08

ちょっとお久しぶりですが、私は元気です。 で、またまた(前回の続き)です。 そう、ツレが目撃した出来事でもわかるように、ただの移動手段としての電車であったとしても、時と場合によっては、乗客同士に一定の共同性が生じている。この事例のような共同…

近くの旅客 07

(前回の続き) ポータブルミュージックプレイヤー(以下PMP)が一般化して、音楽を聞く環境を持ち運べるようになったということは、公共の場に個々人のパーソナルな空間が出現したことでもある、というのが前回までの骨子だ。 そしてそれが電車の中の長…

近くの旅客 06

(昨日の続き) あの、皆さん、すでにご承知かとは思いますが、この項目、かなりイキアタリばったりで書いていますので、論理がいささか傾いているかもしれません。その点あしからず。 そういったことで、最近の車内の新参者といえばスマートフォンというこ…

近くの旅客 05

(前回の続き) ところで、地方のローカル線に於ける件の事情はどうなのだろう。ほとんど乗ったことがないので、あくまで想像なのだけれど、やはりボックスシートなら、前回の書き込みの長距離列車とほぼ同様だと思う。ただし、もちろん駅弁を食べる人は少な…

近くの旅客 04

(昨日の続き) つまり簡単に言ってしまえば、いわゆる電車の中と列車の中とでは、乗客のありようや心持ちといったものが、かなり違っているのではないか、ということなのである。 それは昨日書いたように、目的地が日常の延長ではないこと、乗車時間や移動…

近くの旅客 03

(昨日の続き) さて、では電車の中で化粧をするというのは、どういうことなのか、について進めてみよう。まずは電車の中という空間を考える。 しかしその前に、ちょっと押さえておかなければならないことがある。 ここで簡単に電車と書いてしまった。それで…

近くの旅客 02

埼京線に乗って新宿へと向かう。 まさにオーソドックスな行程の途中、三人掛けのシートの真ん中に座っていると、板橋で右隣の男性が下車する。と、その前で待っていたような若い(らしい)女性がその席に着いた。そして電光石火のごとくに鞄を開けると、まずは…

近くの旅客 01

電車の中で座っていると、前の男性が本を開いた。なにやらとても楽しそうである。私は、彼の手の隙間からタイトルを読もうとするが、よく見えない。まず「ユ」とわかった。次が「ニ」だった。あれれ、「ユニクロ」の本かよ、と思った瞬間、四文字すべてが読…

のぼうの読書

あの『のぼうの城』(和田竜・小学館文庫)をサクッと読みました。まさにサクッと読める一冊、というか二冊です。以前書いたように、この物語は戦国時代の忍(おし)城が舞台なので、私は当然ながら、その「忍」に惹かれて読み始めました。 いやいや、すんなりと…

クリスマスの日の夕焼け

書くことはあるのだけれど、ちょっとメンドクサイ日は、写真のフォルダを開ける。 で、見つけたのが、去年のクリスマスの日の富士山。しかしクリスマスと富士山って、かなり絡みづらいよね。 そして、前景の灯火の中で、いったいどれくらいの数のケーキが分…

京浜東北の小鳥たち

家に帰るために京浜東北線に乗って座っていると、目の前に若い女の子の二人組みが立った。よくわからないけれど、大学の4年生(短大の2年生かも)らしく、まさに小鳥がさえずるように、おしゃべりをしている。でも話題が続かない。 で、話がブチッと途切れるの…

こんなところで田中賞

少し前の「タモリ倶楽部」で、田中賞の特集があった。 新聞の番組欄でその内容を見たとき、どうせお笑いの田中なんとかが、趣味で作った賞なのだろうと思ったのだけど、ナント土木学会が、毎年優れた橋脚に与える賞なのだそうだ。 番組としては隅田川を船で…

埋め草イルミネーション

このところ写真の登場がなかったので、かなり季節はずれではありますが、ペッタと貼り込んでしまいます。時は2010年の12月26日、つまりはクリスマスの翌日。それでも客はそれなりの数で、前日や前々日だったら、それこそ大変だったことでしょう。場所は言わ…

容疑者Xの真剣

先日、テレビで映画『容疑者xの献身』を観た。相変わらず福山はかっこいいし、堤さんの演技はやりすぎだけど、好感は持てる。 原作はかなりヒットしたらしいけど、読んではいない。たぶん、というかきっと面白いのだろう。 けどね、このテレビ放映の映画を観…

アイヌとケルト

(昨日の続き) 前の書き込みで、「地元の図書館」としたのは、正しくは「スコットランド国立博物館」でした。ごめんなさい。 さてマキリの文様に、その使い手は思いを込める。それはケルトのセーターの模様も、その目的は違えども、込めた思いは同様のものな…

マキリとセーター

(昨日の続き) さて、萱野茂さんはご存知の通り、残念ながら数年前に亡くなられているが、生前はアイヌ人として北海道の二風谷(にぶたに)のアイヌ資料館の館長を長く務め、一時期国会議員の職にもついていた。またアイヌの生活や宗教行事の道具を蒐集して、…

新しい意味合い

昨日、小説トリッパーに連載されていた佐々木譲さんの『婢伝五稜郭』を読み終えた。季刊誌なので、前中後編を三つの季節に跨って読むことになってしまった。どうやら記憶力のとぼしい私には、ふさわしい読み方ではなかったようだ。すでに単行本が発売されて…

PR誌拾い思い

新潮社のPR誌「波」1月号を読んでいたら、二ヶ所にクロパトキンという名前が出てきた。最初はクロポトキンかと思ったが、さらあらず。彼は日露戦争当時のロシアの将軍なのだ。 まずは連載4回目の「未完のファシズム」で、のちの青島戦役に比するカタチで…

ふた駅分の記憶喪失

夕刻、友人より電話あり。赤羽にて、いつもの店でいつものごとく酒を飲む。焼き鳥にレモンサワー。店のおばさんの「八千いくらです」という声が聞こえたので、びっくりしたが、もちろんそれはお釣の金額だ。 やがてこんできたので、河岸を変える。友人は初め…

色紙のトウモロコシ

今日は父の誕生日だったので、夜、「おめでとう」の電話を入れた。85回目の誕生日である。大正15年、つまり昭和元年と同じ年の生まれなので、昭和の時代とともに歳を重ねたことになる。 昭和20年の春に仕事で当時の満州に渡ったという。独り身だったので、引…

間違ってました。

昨日書いた『大聖堂』の放送日時は間違いでした(修正済)。3日の夜はそのドラマの宣伝番組で、実際には2月からの放送でした。ごめんなさい。 しかし、新聞の週間番組表には「大聖堂」とあるし、今日の新聞のテレビ欄でも、しっかり「ダークエイジ・ロマン …

観てから、読むことに。

あのケン・フォレットの『大聖堂』が連続ドラマ化されて、2月からNHK-BSで放映されるという。実はこの三分冊の原作本を、いくつかのブックオフを巡って揃えていたのだけれど、まだ一ページも読んでいないのだよね。なにやら壮大な物語の前に読むことを…

街角の動物たち02

鯨である。どうやらマッコウクジラであるらしい。 自宅近くの公園には子ども用のプールがあって、夏の間はにぎわっているのだが、それ以外の11ヶ月弱はそうとうにひっそりとしている。ここのプールサイドには三匹の水と仲のいい(?)生物がいるのだが、彼ら…