2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

空を想う力

夕暮れ時、西の空に3本の光のすじが現れた。 頭を使って考えてみれば、それは旅客機の航跡だということがすぐにわかるのだが、 私の稚拙な空想力では、その先っぽに何百人もの命が乗っているとイメージすることが、どうしてもできないのだ。私の飛行機搭乗…

十年前の住まい探し18

中古物件の不運 私のマンション探しの対象は都内とは限らなかった。しかし実家のある埼玉県の草加市周辺を中心に、いくつかの物件をネットで調べてみたのだが、これといったモノはあまり見当たらなかった。そんな中で実際に「現地」まで行った二つの物件につ…

男の子の訴え

とある場所で受付を待っていると、一席おいた左に、男の子を抱いた母さんが座っていた。彼女が呼ばれて席を立つと、男の子は必死に何かを訴えている。彼らが座っていた椅子を見ると、そこにはミニカーが残されていた。しかし母親は気づかない。私は立ち上が…

十年前の住まい探し17

営業部長氏、かく語りき 「値付けには絶対の自信があります」とマンション「鷺宮B」の事務室に鎮座する営業部長氏はのたまう。私がキライなメンバーリストに、「自信を強調する人」という項目があることを彼は知らない。 そんな彼に私は意地悪をする。 「で…

紅梅と飛行機雲

ウチの近くの公園で、まず春を告げるのは入り口あたりにある紅梅と白梅だ。 不思議なことなのか、あるいは当たり前のことなのか、まったくの素人にはわからないのだが、艶やかな紅梅の花の数が少ないのに比べて、清楚な白梅は花の数がは多い。それがまた絶妙…

佐々木譲さんを読む 04

22日に「オール読物」が発売された。 第142回の直木賞決定発表号のその表紙に佐々木譲さんの名前がある。読者歴21年の私がこの一冊の雑誌を手に取ることは、まさに感慨無量の瞬間である。譲さんの作家歴は31年なので、リアルタイムでは最初の頃の作品は読ん…

十年前の住まい探し16

マンション「鷺宮B」再訪 さて、そんなこんなでマンション探しの本史に戻ることにする。しかしツラツラ書いてみると、前史もそれなりに本史への「原始的蓄積」となっていたような気がする。特にバブルの余韻が残っていた時期と、私がマンション探しを本格化…

梅咲く本の花園

「羽鳥書店まつり」に行ってまいりました。ナンダロウアヤシゲさんのブログに告知されてから、ぜひ出かけたいと思っていたイベントです。これは羽鳥書店という出版社の社長さんが1万冊ほどの自身の蔵書を、かなりの廉価で販売するというもので、2月11日から1…

犬吠崎で波の観測

ちょこっと犬吠崎まで出かけた。 泊まったのは目の前が波打ち際の旅館。あいにくの天候と到着が遅かったので、海はほとんど見えない。でも遠くのホテルが海に向けてライトを照らしていて、それを借景。白波が次々と押し寄せてくるのがわかる。しかし不思議と…

十年前の住まい探し15

バブル、その幻影と払拭 このような感じで、本格的にマンション探しを始める前にも、いろいろと土地や一戸建てを含めた物件の「見学」をしてきた。心持ちとしては実際の購入行動までにはまだ相当の距離を残していたけれども、最終的にはかなり意義のある「勉…

十年前の住まい探し14 

一等地のパラドックス まだまだマンション探しの前史が続く。さてその前史だけでなくマンション探し本史まで通じて、一番都心に近いマンションだったのは、目白の物件だろう。今から考えれば身分不相応極まりないのだが、新聞チラシを見て当時の住まいからも…

軒下の未確認物体

「ミュータント・モグラ」接近遭遇? 朝起きると、それは目の前にあった。 真新しい土がうずたかく掘り返されていたのだ。すわ地底怪獣の襲来かと身構えてみるも、よくよくその物体を観察すると、高さは6、7センチ、直径は30センチ程度なり。さらによく…

海辺の未確認物体

銚子にガメラ現る ニュキと突き出した首、ギザギザの甲羅、すわ銚子の海辺にガメラ出現か、と思いきや、ただそんなカタチの岩なのでした。されば早速「亀チャン岩」と命名す。 さて、日々荒ぶる波に揉まれ続ける我らが亀チャンが、このままの姿でどのくらい…

洋上の未確認物体

銚子沖のアポロノーム 水平線近くを、多くの貨物船が行き交うなか、忽然と現れたトーストのオバケ。双眼鏡で確認すると五つぐらいに分かれていた。写真はコンパクトカメラの限界以上にズームアップしてしまったので、ボケボケである。この「物体」の長さの六…

十年前の住まい探し13

バブルが弾けた場所に建つ物件 そしてマンション探しの前史はまだ続く。 マンション「都立家政A」を見た日は、そのままマンション「鷺宮C」も見に行くことにした。しかも止せばいいのに、そのまま歩いていこうとしたのだ。その大胆な行為を回想するだに当…

十年前の住まい探し12

マンション探し前史 これまで書いてきたのは2001年春から始めたマンション探しについてだけれども、実はその2年ほど前から、チラシやインターネットの情報を元にして、ちょっと気まぐれのように、いろいろと物件を見に行ったことがある。その中には、上落合…

十年前の住まい探し11

反対運動の存在感 東中野にはもう一件、マンション「東中野B」があった。それは東中野の新宿駅よりの改札を出て、つまり「東中野A」のモデルルームの横を通り抜けて、大久保通りへ向かう南北の通りの途中から右の坂を少し昇ったところにある物件だった。小…

ベンチ、冷えてます。

先日の雪の朝、コンクリートやアスファルト上の雪はほとんど溶けていたのに、木や土の上の雪はまだかなり残っていた。そこで公園のベンチもこんな感じだ。その向こうには、低い壁近くに寄り添う鳩たち。みんな首を丸くしている。しかし写真には入っていない…

十年前の住まい探し10

このコンセプトのままに マンション「東中野A」の価格は5000万円台後半で80㎡といったあたり。北側に建つあの早稲田通りのビル群がなかったとしたら、自分のフトコロ具合を省みずに、無謀にも購入を決断したかもしれない。価格と間取りと向きなどをいろいろ…

十年前の住まい探し09

近所さんにもご挨拶 鷺宮の物件の次に見たのは、マンション「東中野A」である。東中野駅周辺には、住んでいた賃貸マンションから自転車で5、6分なので、よく買い物や食事などで出かけていた。しかし東中野の新宿側、しかもその南側の改札には行ったことが…

消えたロケット設計図

数日前、テレビのニュース解説を見てかなり驚いた。 解説の内容はアメリカの宇宙開発に関するもので、オバマ政権は今後の計画を抜本的に変更し、有人月着陸計画を止める。よって新型有人ロケットの開発を止める。よってスペースシャトルを止めるのをとりあえ…

十年前の住まい探し08

隣の窓からコンニチハ? 駅前で車から降りると、私は気を取り直して、マンション「鷺宮A」のパンフをチラリと広げてまた建設現場を確認した。あたりはなかり暗くなってきた。まず踏み切りを渡らなくてはいけない。もしこのマンションに住むとすると、この前…

十年前の住まい探し07

架空キャッチボールはできなかった。 「まだ内装が完了していないのですが、物件を見ていかれますか」 マンション「鷺宮B」の八嶋智人似の辣腕営業マンはそういう。遠路はるばるここまで来たんだし、見るのはタダなんだからと、傾きつつある陽射しの中を最…

雪だるまの経路

東京地方、二度の積雪の朝、 窓を開けると近くの公園には、白い雪のキャンバスに、 黒々と一本の線が描かれていた。 最初に見たときは自転車が通った跡かと思ったけれど、 写真の右の自転車と比べると大きすぎる。 で、分かった。雪だるまを作った跡なんだ。…

ちょっと傾いているので、吊っています。

ハイ、二番煎じです。 スミマセン。

十年前の住まい探し06

おっと風水、その手があったか。 「実際の敷地はどんなところだろう。歩いて行ってみるか」と、マンション「鷺宮A」の建設場所を聞くと、モデルルームが駅の南側だったのに対して、北側の新青梅街道の近くで、行くには踏み切りを渡る必要がある。 その踏み…

雪の日のドラえもん

ひさしぶりの雪。 小さな公園には、大きなドラえもんの顔。 出勤前のお父さんによるものか。 ほんのひとときで消えてしまった。

十年前の住まい探し05

司令長官のおかげです。 前口上が長くなってしまったが、ともかくも2001年の春、私は趣味的な気持ちのままにマンションの物件探しを始めることにした。当時は大江戸線か西武新宿線の中井駅の近くの家賃16万円ほどの賃貸マンションに住んでいた。ここだと会社…