2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

コンテナ・コレクション03

困ったときに、忘れた頃のコンテナ・コレクション、ということで、今回はご近所のコンテナトランクの写真です。色合いとしては、コレクションナンバー02に近いようですが、実は01が黄色く見えるのも夜間撮影だったせいで、実際にはたぶん三つともに同じよう…

『第2会議室にて』43

2008年7月31日⑩ 「で、さぁ、具体的にはどうするんですか。福田さんのいっていることって、何か同じことばかりで、よくわかんないんですけど・・・」 とうとう太田章はシビレを切らしたらしい。 「いまのはこの紙に書いていることをただ読んだだけでしょ。そ…

クルマに関するエトセトラ07

牛の尻尾から、何かの頭へ さて、次なる新車の候補はフォルクスワーゲンとあいなった。でも、フラリと行ったディーラーでも、自分が見たいのが、さてパサートなのか、それともボーラなのか、確定はしていなかったのだ。いやいやその前から、ディーラーさえ、…

『ミツバチのささやき』をささやく・補A

1から3までのまとめ タイトルバックは映画を上映しているイラストをクローズアップして終わり、それを引き継ぐ形で本編が始まる。それはこの映画が映画=作り物であることの強調か。イラストは「フランケンシュタイン(の怪物)」の上映を表していることから…

『第2会議室にて』42

2008年7月31日⑨ 「はっきりいってしまおうか」 福田和彦はまずそういった。そしてすぐに続けた。 「今まで自分たちは腹を見せていた犬だったわけだ。だから会社は何でもできると思っている。可愛がることも、くすぐることも、そしてその腹を傷付けることもね…

安直にも昨日の続き。

雪がこびり付いた木々の間から吹いてくる風を想像してくださいね。

とりあえず・・・・・、

暑中お見舞い申し上げます。 暑い日々が続きますが、皆様いかがお過ごしですか。雪に覆われた近くの野球場です。冷たそうな空気を感じてくださいね。

夏の花

夏の日の 愛でる人去る 庭先に 明日もまた咲く 花一輪

夏の夜にシンクロするもの

いま、ゆっくりと『トロツキー その政治的肖像』(上・下 D.ヴォルコゴーノフ 朝日新聞社)を読んでいるところなんだけれど、当然のことながら、この本には次から次へと政治家や軍人などのロシア人の名前が出てくる。もちろんそのほとんどは流し読みするし…

『ミツバチのささやき』をささやく03

前回、手紙を書いていたテレサの部屋とフェルナンドの書斎の窓は、蜂の巣状の格子が入っていると記したが、そのガラスはともにオレンジ色に彩色されている。そしてそれはミツバチの巣箱の中の色でもあり、その色が部屋の中に満ちていた。 映画を上映している…

ひかりもまた罪

梅雨明けに 置忘れたる あじさいの 陽射しにありて 色かすれたり

『第2会議室にて』41

2008年7月31日⑧ 福田和彦は、さっきから言葉に迷っていた。自分のしゃべっている単語の一つ一つが、自分とは別の場所のモノのような感覚があるのだ。なるほど教師はいい。教科書に身を隠して、その内容を噛み砕いて生徒に伝えればよいのだから。しかし自分に…

立体広告の秘密

連休中、実家でビールを買い足しにいった夜、不思議な看板に出くわした。家のイラストが描かれているのだが、その植え込みあたりが立体的に見えるのだ。おお、なんという斬新な看板だ、と思いきや、その裏側を見ると鬱蒼とツタ系の植物が生えているではない…

速く沈む月

ツレが「このところ、月がはやく沈むね」といった。 一瞬、それを「速く」と思って、「いや、そんなことはないよ」といいそうになったけれど、たぶん「早く」の意味だろう。ことほどさように日本語は難しい。

梅雨明けの空

少し前にここで紹介したことのある、梅雨の到来と終わりを告げる(らしい)タチアオイの花が、昨日公園を散歩したらほぼ咲き終わっていた。いよいよ梅雨明けかと思っていたら、今日のニュースで気象庁が、関東地方の梅雨は明けたかもしれない宣言をしていた。…

クルマに関するエトセトラ06

見果てぬサーブ すっかり間が空いてしまったけれど、まだまだ新車購入の話。 あまり真剣ではなかったけれど、実を言うとサーブ9-3とか9-5とかも、見てみたいとは思っていた。でも今こう書いていて、9-3と9-5の違いがよくわかっていないのだから、その「真剣…

『第2会議室にて』40

2008年7月31日⑦ 「結局、会社の実権が田中社長から東山社長に移ることで、仕事場としての水準はどんどん落ちていった。会社はそれを出版不況のせいにしたけれど、経営上の具体的な数字は出さなかったし、その頃の組合もそれを求めなかった。組合は何もいって…

スゴイことの中身

ちょっと前のTBS『情熱大陸』の主役は松岡正剛さんだった。ううむ、やっぱりスゴイことはスゴイ。なんて、なんとも奥歯にモノが挟まったような言い方になるのだが、はっきりいって彼がどうスゴイのか、下々には理解しがたいところがあるので、やはりなん…

小さきものも光を求めて

数日前にツレがコケサンゴという、何だかよくわからない植物を買った。小さな葉っぱが密集している中に、極小のプチトマトのような実が、これまたたくさん乗っかっている。それをテーブルの上に置き、出先から帰ってみると、健気にも、窓の方向にある葉っぱ…

まるで飛龍のように

つかこうへいさんが亡くなった。 私のつかさんとの出会いは、70年代のNHK教育テレビの若者向け番組(たぶん若い広場)で放送された、『戦争で死ねなかったお父さんのために』だったと思う。当然まだ脚本家の名前は知らず、若い風間杜夫さん、平田満さん、そ…

『第2会議室にて』39

2008年7月31日⑥ しゃべりながら、福田和彦は自分の言葉に違和感を持ち始めていた。みんなに説明している言葉は、高校の政治経済のレベルにも達していないモノだが、労働者とか階級とか、あるいは争議とか権利とか、どうも自分とは不釣合いな言葉、少なくとも…

梅雨の幕間に

天気予報はずっと雨なのに、ここのところ雨らしい雨にはぶつからない。今日も一日中ピーカンで、夕方にはもくもくとやや夏ぽい雲が湧き上がってきた。そしてその雲のせいで、太陽光線がいくスジにも分かれ、放射線状に広がっていた。ふと、イカロスはどのへ…

『ミツバチのささやき』をささやく02

集会所で上映している映画「フランケンシュタイン」の冒頭、映画の中の司会者のセリフ、「・・・これほど衝撃的な作品は、世界にも稀です。でも、あまり本気になさらないように・・・」は、その映画の口上であると同時に『ミツバチのささやき』のそれでもあ…

『第2会議室にて』38

2008年7月31日⑤ 太田章は発言を続けた。彼の実質的な上司である小杉裕子が隣で笑っている。 「だって給料は会社が決めるし、自分の場合ほとんど変わらないか、実際には少し下がってもいるんですよ。それに仕事が終わったから帰ろうとすると、いつもどこから…

リストラ昔々

くわしいことはわからないのだけれど、ちょっと前まで「リストラなう」というブログが評判であったようだ。そこには、某大手出版社の希望退職に応募した某社員の、退職までの日々が綴られていた。かくいう私もどこか別のブログで紹介されていたのをきっかけ…

魚の名前

6月27日にアップした花の名前は「ゼラニウム」でした。とても有名な花でしたね。 花の名前もそうですが、苦手なのが魚の名前。恥ずかしながら、いまだに寿司屋に行くのを躊躇するのは、寿司ネタの名前が微妙に分からなかったりするからなのです。その点、回…

『第2会議室にて』37

2008年7月31日④ 福田和彦は配った紙を組合員が一通り眺めたと思ったあたりで話し始めた。 「それでは告知にもあったように、これから労働組合についてのセミナーをやりたいと思います。手元のレジュメを見てください」 「えっ、レジュメって何のことですか」…

ありがちな風景

『1Q84』村上春樹(新潮社) 『1Q84』の3を発売日のすぐあとに買っていながら、まだ手が出ていない。これは小説の村上作品としては今までになかったことだ。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の頃には、仕事の隙間を見て書店に買い…

ただひとつ

願いごと あまた揺れたる 笹の葉に ただひとつのみ 強く祈れり

凄惨なるヨーロッパ

『ブリューゲルへの旅』中野孝次(文春文庫) 読み終えるのにずいぶんと時間が掛かってしまった。字は大きく、挿絵もたくさんあるのだけれど。この本を読もうと思ったのは、タルコフスキーの『惑星ソラリス』を「解読」する一助になるかもしれないと考えたか…