2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夜明けの恐れ

夕刻の美しさが、漆黒の闇の前触れだとすると、夜明けの静謐さには、すべてが文字通り白日の下に晒されてしまうことへの恐れが含まれているかもしれない。 しかしまあ、こういった風景は、眠気をより多く含んでいる、こともある。

夕刻の悲しみ

夕焼け空が悲しいのは、すぐ夜になるのを知っているからなのでしょうか。

『第2会議室にて』35

2008年7月31日② この日、配られた「執行部の考え方」は以下の通りだった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ モータータイムズ社労働組合 組合員の皆様へ モータータイムズ社労働組合執行委員長 中西信也 2008年7月31日 皆さん、お疲れさまです。 さ…

また、名の知らぬ花を愛で

ひっそりと 部屋にひとりで 庭見れば あちらもひとりで その顔向ける

月食の夜に

今晩は部分月食だということを知ってはいたのだけれど、出先でしっかり忘れて、帰りのクルマの中でふと気づき、もうその時間だと窓の外を見回すけれど、月らしきものは見当たらない。 部分月食は満月の夜に起きる。太陽と地球と月が一直線に並び、地球の影に…

『第2会議室にて』34

2008年7月31日① 午後6時を過ぎたが、第2会議室に執行部以外で集まったのは6人だけだった。モータータイムズ社労働組合の集会は、このところ極めて結集率が悪い。そもそも賃金の年俸制への以降を組合が了承してしまってからは、賃上げやボーナスの要求活動…

さあさ、おタチアイ、じゃなくて、タチアオイ

6月14日にアップした花の名前がわかりました。 その名は「タチアオイ」。 今度はNHKのニュースでの紹介で、しっかり名前をメモしました。 やはりそのすっくと立った茎の一番上の花が咲くと、梅雨が終わる、ということなんですが、さて、ホントウにそう…

そして空には飛行船

本日付の新聞が「日本飛行船」の破産手続きの開始を報じていた。最近あまり見ないなぁ、と思っていたが、やはりこういった事態だったわけだ。 めずらしく実家近くを飛んだときに、父が妙に関心を示していたので、料金はどのくらいなのかを調べてみたことがあ…

包む

クリストじゃないよ。(念のため)

『第2会議室にて』33

2008年7月28日⑥ 「しかしセミナーの前に、まず今回の回答書の報告会をしなくちゃいけないな」 村上悟の意見はいたくまっとうだ。 「その場合は、この回答書に組合執行部はどう対応するかということを決めて置かなくてはいけないのかな」 中西信也は手順をし…

クルマに関するエトセトラ05

ボルボの「カリスマ」性 てなことで、スバル店に併設されていたボルボ販売店で私が見たかったのは、S60というセダンではあった。「ボルボっていえばステーションワゴンでしょうがアンタ」という声もあるでしょう。「BMW318iを見てきたのに今度はF…

3D初体験

遅ればせながら、劇場で初めて3D映画を観た。 もともとはほとんど関心がなかったのだけれど、ツレが「観たい観たい」というので仕方なくお供することに。 で、演題は『アリス・イン・ワンダーランド』。夫婦割りで入ろうとすると、3Dは、な、なんとひと…

『第2会議室にて』32

2008年7月28日⑤ 福田和彦は続けた。 「ストライキ権を組合で確立させるというのは、会社側に対して交渉上の大きな武器となるんだ。さっき、とてもじゃないがストなんてやったら、自分の首を絞めることになる、っていう話が出たけれど、もしちゃんとしたスト…

果てしなき旅路の果てに

「はやぶさ」が帰ってきた。 今日の話題としては東北新幹線の「はやぶさ」になってしまうが、もちろん小惑星イトカワにタッチしてきて地球に帰還した宙探査体「はやぶさ」のことである。数日遅れのアップだけれど、7年の長き旅路からすれば瞬間みたいなもの…

見上げれば

親元へ ゆきて帰りの 夕立を しばし待つ間に 虹の空

『第2会議室にて』31

2008年7月28日④ 「なるほどね。村上さんの意見は真実かもしれない。でなきゃ、田中前社長は自分とまったくキャラの違う東山を次の社長にしたりしないものなぁ」 福田和彦がまず沈黙を破った。 「自分自身は社員がカワイイ。どんな社員でもね。それに痛い目に…

梅雨とともに咲いた花

日曜日の夕方に近くの公園を散歩すると、すっくと立った鮮やかな花が目に入った。 「あれ、なんという花だろう・・・」と、あいかわらず花の名前を覚えない小生は、デジカメをそちらに向ける。 そして本日の月曜日、朝の番組を観ていると、天気予報のコーナ…

『ミツバチのささやき』をささやく01

タイトルバックは子どもたちの絵、映画に登場するアナとイザベルが描いたという。 しかしそれにしては上手過ぎる気がする。 そのイラスト、養蜂家、猫、汽車、興行師、そして自分たちであるふたりの女の子などが、映画の予告にように現れる。 それらは静かな…

とある、件

少し前にお知らせした「とある公募」の最終選考は、残念ながら受賞には至らず、となりました。 前の書き込みはその公募の名称を明らかにしていませんでしたが、実は第1回創元SF短編賞でした。全部で612編の応募があり、その中からとにかく最後の15編まで…

『第2会議室にて』30

2008年7月28日③ 太田章に続いて、向井良行や村上悟も第2会議室に入ってきた。執行部員でまだなのは河北たまきだけだった。それぞれが委員長の中西信也から回答書のコピーをもらって、それを読んでいる。 すると太田が携帯電話を取り出した。 「たまちゃんに…

光と影の交差

一昨日の続きの続き。 雑誌を読むのは小休止。 葉っぱもどこかへ飛んでいって、 目の前にあるのは、地面に映る影だけ。 その不思議な模様は、もちろん木の葉がつくるモノ。 それが、ふと大きく揺れた。 まるで、その存在を知らせたいみたいに。 ちょっと風が…

アリと葉っぱと、そして風

今日は昨日の続き。 ベンチで雑誌を読んでいると、 目の前に1枚の、というか半分だけの葉っぱが落ちていた。 写真には写っていないけれど、 よく見ると、一匹のアリがしがみついている。 まあ、ただの葉っぱなのだ。 そんなに一所懸命にならなくても・・・…

ハクビシン、跳んだ

日曜日に近くの公園で、岩波の『図書』の残りを読む。 残りといっても、全部のページを読んでいるわけではない。 単発モノといくつか連載だけ。このところ読まない連載が増えてきた。 すっと頭の中に入ってこないと、もうその連載を読むのは止めてしまう。 …

『第2会議室にて』29

2008年7月28日② 組合副委員長の福田和彦の電話が鳴った。受話器を取ると、相手は委員長の中西信也だった。時間は午後5時を過ぎていた。 中西が言った。 「回答書が出た。すぐに執行部会を招集したい」 福田は自分のいる2階フロアを見回した。向井良行と村上…

どうやら300回

今回のアップで、このブログも連続300回目の書き込みとなるようです。 読んでいただいている皆さん、ほんとうにありがとうございました。 ちょっと泊まりで出掛けて、あとからの書き込みも数回あるのだけれど、その辺はお許されませ。 一回の書き込みの平…

クルマに関するエトセトラ04

今日の友は明日の敵 次に訪れた輸入車販売店はスバル、じゃなくてボルボ。クルマで店に近づいて、一瞬アレッアレッと思ってしまうのだが、その頃はスバルでもボルボを売っていたのだ。といってもこれは正確ではないかもしれない。同じ店舗を二つに区切って、…

クルマに関するエトセトラ03

無口の営業マン というわけで、オッカナビックリという足取りで、輸入車販売店を訪れたのではあった。 そこはやっぱ「外車」である。流れている空気が違う、と思ったのは、錯覚なのだろうか。とりあえずターゲットとしては300万円台で買えるセダン系。コ…

『第2会議室にて』28

2008年7月28日① しかし約束された月曜日の午後になっても、回答書は組合には届けられなかった。 それどころか当事者の石原取締役は、午前中からどこかへ出掛けてしまって、会社に帰って来る様子はなかった。さらに翌日の火曜は休暇を取っている。組合委員長…

埼京線は新幹線マニアのパラダイス、かな

当たり前のことだけど、埼京線の赤羽以北は新幹線と平行して走っている、っいうか、埼京線は新幹線のオマケで出来たような路線なのだ。 いつも真直で見ているので、風景と化しているけれど、日々埼京線に乗っていると、新幹線といつもすれ違う。これって新幹…

そして、40年が過ぎた

朝日新聞の記事で気づいたのだけれど、今年はあのアポロ13号の事故から40年目だという。もし映画『アポロ13』が無ければ、この事故の知名度はもっと低かったことだろう。 当時中学2年生だった私は、テレビに齧りついて事の成り行きをみつめていた。実際、月…