てふてふ舞う道

 ウチから少し離れたスーパーへ車で出掛ける道すがらに、桜の並木がある。わざわざ歩いていくほどでもなく、また近くに車を停めておく場所もないので、そこを見上げるのは決まって車内からとなる。
 花はだいぶ散ってしまったようだが、それでも空を薄紅色に染めていて、道にも花びらがふわふわと舞っている。その何枚かが、まるでピンクの蝶々のようにフロントウィンドウにすっと近づき、またふぁっと離れていく。
 ここもあと数日すれば、ただの並木道になる。