橋を登った記憶

 そういえば、昔々のその昔の1960年代に、神奈川県の大船に住んでいたことがある(もちろん当時は子ども)。だから親戚の人が来ると、当然のことながら、近くの江の島か鎌倉に行くのが定番だった。
 あの頃の鶴岡八幡宮の太鼓橋は普通に渡れたはずで、自分は決まってそこをよじ登っていたのだが、今は柵で囲われ、ほこりに覆われている。
 それになにより境内(とはいわないか)が、今よりもずっと広かったはずなのだが、まあ、それはどこでも同じこと。この記憶の傾向は自分が小さかったことだけが理由ではないように気がする。
 あの階段を昇り切って、夕陽を眺めたという記憶はない。いやそんな場面があったとしても、たぶん記憶に残っていないだけなのだろう。
★写真は階段の上から撮影したものではありません。