橋の上の戦争

 さて、橋に関する戦争映画だけれど、いわゆる全面戦争以外、世界中で現在行われている戦闘行為を含めて、橋はその趨勢を決定づけるポイントとなる。よって戦争を題材にした映画で、こと地上戦を描く場合、かなりの確率で橋が登場するのは当のこと。だから、ここで取り上げる作品は、そんな数多くの作品の中のホンの一部です。
 思いつくままに挙げてみれば、 まずは「遠すぎた橋」。オールスターキャストの大作でありながら、これほどまでに俳優の影が薄い映画も少ないだろう。期待とその後のギャップにここまで陥る作品は、たぶん他にはない。
 「戦場に架ける橋」は歴史に残る名作ということだけれど、若い頃に観たせいか、どうもピンとこない。原作者が小説『猿の惑星』を書いたピエール・ブールで、この小説自体は映画「猿の惑星」とはかなり毛色の変わった作品なのだけれど、この二つの作品が重なりを持つ(あえて詳しく書かないけど)、などと聞かされると、なるほどね、と思ってしまうことになる。
 「レマゲン鉄橋」はアメリカ制作の定番的な戦争映画で、橋の争奪戦が描かれている。日本人にとって興味深いのは、テレビドラマ「ナポレオン・ソロ」で脚光を浴びていたロバート・ボーンが、ドイツ軍の将校を演じていたということ。彼の末路が悲しいね。
 とここまでが口上で、ホントは「ネレトバの戦い」と「橋」のことを書きたかったのだが、これはまた今度。