月は昇らず、セミが上る。

 ツイッターにも少し書いたけれど、数日前の夕方、やや涼しくなったので、近くの公園を散歩していると、数人の小学生とその母親の一団が空を見上げている。
 で、聞くともなく、その会話を聞いていると、
 ハハ「もう二時間見ているれど、見えないんだから、そういうふうに書けばいいんだよ」
 どうやら夏休みの課題のようだ。
 子供「でも、どこに見えましたか。どんな色をしていましたか。いつ沈みましたか、とか書かなくてはいけないし、夏の三角形も探さないと」
 どうやら月をまず探しているようだ。でも新月の頃だから見えるはずもない。この時間だと三日月や上弦の月だと、西のほうにあるけれど、立木に囲まれた公園では最初から無理な相談だろう。
 で、私は通り過ぎる。そして何気にその立木を見ると、セミの幼虫(とこの段階もいうのだろうか)が羽化するために行列を作って上っている。すでに白く羽化しおわってセミもいた。こっちの方が断然面白そうなのになぁ。