クラフト・エヴィング商會を「よむ」その十一

oshikun2009-10-19

[奇地図集覧]
クラフト・エヴィング商會(雑誌『ラパン』連載)

 昭和12年の地図によるロールプレイングゲーム昭和11年の東京における火星人分布など、過去の不思議な地図を紹介するという連載もの。まったくありえないことやもしかするとありそうなことを適宜にブレンドしているのが小気味いい。
 もしかするとこれがクラフト・エヴィングとの出会いだったかもしれない。いや他の単行本を読んで、もしかするとと手元の『ラパン』を紐解いたのだろう。この『ラパン』自体が当初「想像力が旅する大人の地図マガジン」と銘打っているように、地図を楽しむかなりマニアックな雑誌だったので、クラフト・エヴィング商會的な企画はまさにうってつけだった。
 でも休刊や再開を繰り返して、月号が進むにつれ普通の旅行雑誌に近くなってきてしまった。地図の話をメインにするのはやはり難しかったのだろうけれども、それでは存在意義も失ってしまう。そして、この雑誌はいまや「どこかにいってしまったもの」となってしまった。
 手元には4冊分の連載しかないので、この企画がどのくらい続いたのかはわからないのだけれど、どこかの版元がまとめてくれないかなぁ。]
★なおこの当時の誌面では吉田ご夫妻ではなく、『どこかにいってしまったものたち』と同様に女性二人のユニットしてクラフト・エヴィング商會が紹介されている。