富士のタカネに降る雪も

 昔々の子どもの頃、「お座敷小唄」という歌謡曲がテレビから流れていた。
 その歌詞は、「富士の高嶺に降る雪も、京都先斗(ぽんと)町に降る雪も・・」というのだけれど、幼い私がぽんと町など知るはずもなく、「今日、ほんのちゅっと降る雪も・・」と脳内で合理化していた。しかしこの解釈でも続く歌詞の「雪にかわりはないじゃなし、溶けて流れりゃ皆同じ」との整合性は確保される。
 いゃあ、昔の歌謡曲ってかなり哲学的だったんですねぇ。
 そこのダイヤモンドの広告をうっとりと見ているキミ、それって木炭とちょっと原子の並び方が違うだけなんだよ。「炭にかわりはないじゃなし、燃えてしまえば、皆同じ・・・」