小さな虹を見た。

 公園を散歩していると、その奥でシャカシャカという音が聞こえてくる。音のする方を見ると、スプリンクラーが回り、そのあたりに小さな虹が架かっていた。ここは公園内の落ち葉を集めて、腐葉土か何かにする場所だ。そのために、水を撒いているのだろう。
 ちょっと得をした気分でしばし眺めてから、歩き出す。すると前からお孫さんらしき小さな女の子を連れたおじいさんがやって来る。彼らはおしゃべりに夢中で、虹には気づかないようだ。一言「そこで虹が見えますよ」と声を掛ければよかった、と思う。もしかすると、彼女にとっては最初の虹だったかもしれない。それとも初体験はもっと大きな虹の方がよかったかな。