軒下の未確認物体

 「ミュータント・モグラ」接近遭遇?
 朝起きると、それは目の前にあった。
 真新しい土がうずたかく掘り返されていたのだ。すわ地底怪獣の襲来かと身構えてみるも、よくよくその物体を観察すると、高さは6、7センチ、直径は30センチ程度なり。さらによくよくあたりを見ると、前々からこの庭には同様の「土盛り」が数多く点在している。目前の「物体」はそれらに比べると、「新しい」ものには違いない。
 というわけでこれはもちろん「モグラ」の仕業である。しかしこのようにその「実存の痕跡」を目撃するのは始めてのこと。数時間前には石森章太郎氏による「ミュータント・モグラ」のように、そこから顔が出ていたかもしれない。そう思うと、なにやら愉快である。
 ちなみに今回の「未確認物体」の三枚の写真は、いずれも同じ地点から撮影されている。