十年前の住まい探し30

oshikun2010-04-18

 「ここがロードス島だ。ここで跳べ」
 もしマンション「浮間舟渡B」を買うとしたら、当然のことながら、第2期の34戸の中から選ばなくてはならない。間取りは11タイプあって、それを前回の書き込みにある条件に当て嵌めていくと、まず4000万円台の物件にバイバイとなる。その数は11戸、残りは23戸だ。次に8階以下の物件は、タワー型マンションに住むにしては低過ぎるよな、ということで6戸とソーロング。これで残りは17戸となる。この中で長方形ではない部屋があるのが6戸。これで購入可能性のある物件は、3タイプの間取りの11戸の物件に絞られた。
 それらを価格表で比べてみると一目瞭然なのが、同じ3000万円台の物件でも、2タイプが70㎡以上なのに対して、残りの1タイプが角部屋でなく60㎡以下で、しかも一面採光だということだ。
 さて、この価格差の理由は価格表ではわからない。間取り図で、ことの次第が明らかになる。これは方角の違いなのだ、70㎡以上の2タイプの物件は、角部屋の角を北側に向けているので、窓は北西と北東向きとなる。つまり「日当り」が良くない。それに対して後の1タイプは南東向きで、かなり「日当り」がいい。両者には価格差がほとんど無いので、15㎡以上の広さを取るか、それとも「日当り」を取るかの二者択一ということになる。極めてわかりやすい。
 実際のところ、私が以前住んでいた2件の賃貸マンションは、ともに南向きではなかった。それでも昼間はほとんど居なかったからだろうけれども、不快とか不自由とかを感じたことはない。15㎡といえば、まあ一部屋分である。私としてはその一部屋を取る。
 このように条件を付けて、一件のマンションの中から「購入するかも物件」を選んでいくのはなかなかに楽しい。こういった楽しさはマンション「東中野B」以来である。あのマンションは価格も高かったし、面白い住居が多かったので、とても一つを選ぶことはできなかったが、こちらの「浮間舟渡B」は、そこまでレベルの高い物件はなかったので、それだけ購入というイベントに距離が近かったともいえる。
 私はまたいくつかの預金通帳の残高を合計してみた。マルクスではないが、「ここがロードス島だ。ここで跳べ!」という気分だったかもしれない。