住宅

十年前の住まい探し35・最終回

次のターゲットは外房 さて、わけのわからない10年前の「住まい探し」の顛末を、ずっと書き連ねてきたけれど、いよいよそれも今回で最終回。これまでのお付き合いアリガトサンでした。 ところでこのマンションは前回に書いたように、個人的な感覚の減価償却2…

十年前の住まい探し34

ひと月1万のおいしい話 前の書き込みの最後で触れた200万円の中身を繰り返す。 今回買ったマンションの居住性を賃貸マンションで実現するとなると、いろいろな経費と込み込みで年間300万円ぐらい掛かるはず。そこからこの分譲マンションに掛かるいろいろな…

十年前の住まい探し33

あいまいな200万円の意味 そして8年近くの歳月が流れた。くわしくいうと、マンション「浮間舟渡B」に引っ越してきて、今年の8月末でまる8年になるということだ。このマンションの月々の管理費や駐車場代などは5万円台半ばだから、年間にすると65万円…

十年前の住まい探し32

グッバイ、タイガー まず私の貯金通帳から消えていったのは、マンション「浮間舟渡B」の販売価格の、ほぼ10%の金額である。たしか保証金という名前がついていた。その10%にしても、私がこの人生において支払った金額で最大のモノだった。クルマだってもっ…

十年前の住まい探し31

うーむ、見つからない さて、「買うとしたらどれがいいかな」と、マンション「浮間舟渡B」の価格表と間取り図を両手に持って、面白半分(つまり真剣半分)に検討していくと、前に書いたいくつかの条件から、結果的に2つのタイプが残されることとなった。 …

十年前の住まい探し30

「ここがロードス島だ。ここで跳べ」 もしマンション「浮間舟渡B」を買うとしたら、当然のことながら、第2期の34戸の中から選ばなくてはならない。間取りは11タイプあって、それを前回の書き込みにある条件に当て嵌めていくと、まず4000万円台の物件にバイ…

十年前の住まい探し29

ターゲットは絞られた、かな。 あまり目ぼしい物件に出会わなかったタワー型マンション捜索作業の中で、ひとつだけ網に引っかかったモノがあった。それをマンション「新宿A」としておこう。その名の通り新宿に建つタワー型マンションである。勤め先も新宿区…

十年前の住まい探し28

牛歩から馬へ、常歩だけど 結局、何度もこのマンション「浮間舟渡B」のモデルルームを訪れることになる。モデルルームとして設えてあるのは70㎡を少し超えるタイプと、65㎡程度のタイプのふたつだった。室内の色は3種類が用意され、前者は明るい色の設定で…

十年前の住まい探し27

突然の進路変更 前にも書いたようにこのマンション「浮間舟渡B」の断面は、正方形に近い長方形の角を斜めに切った五角形である。1対1.2の辺をもつ四角形のひとつの角を、一辺は半分、もう一辺は四分の三ほどの場所で折り込んだカタチといったらいいのだろ…

十年前の住まい探し26

デメリットを有効活用 マンションを供給する側にも、いろいろと都合がある。敷地面積の大きさだとか、その土地の法的な制限や、パチンコ屋や公園の有無といった周辺環境のデメリットやメリットなどなど、いろいろな都合を彼らはまるで食材のようにキッチンに…

十年前の住まい探し25

効率性が創る消費者ニーズ まずマンション「浮間舟渡B」はよくある「全室南向き」神話と決別しなくてはならない。これはタワー型マンションの宿命である。ようかん型マンションのように直方体の一番広い側面を南側に向けて、そこにすべての住居のベランダを…

十年前の住まい探し24

コンセプトの発見 マンション「浮間舟渡B」のモデルルームで、ほんとうにフリの客であることを「事前公開」すると、「いえいえ、まったくかまいませんよ。ようこそいらっしゃいました。ぜひご覧になってください」と中江有里似の営業ウーマンがいう。 モデ…

十年前の住まい探し23

「倉庫だから立ちません」 マンション「浮間舟渡A」は健康への配慮が一番の売りのようで、モデルルームにいた40歳前後の女性の営業担当は、壁紙や床の材質や空調については過剰に語りたいようなのだが、周辺の環境とか間取りの工夫とか価格の値頃感などにつ…

十年前の住まい探し22

「未知の駅」に到着 中野の営業所で私は八嶋智人似の営業マンと少し話をした。 彼はいう。 「感想を聞かせてください」 私は答える。 「マンション全体としては冒険しているし、一戸一個も個性的。だけど、廊下とリビングとの間にアールのある段差が付いてい…

十年前の住まい探し21

立体パズル感覚 八嶋智人似の営業マンが案内してくれた物件、マンション「中野A」は中野サンプラザの真裏、つまり住宅地とはほど遠い喧騒の中にあった。目の前に早稲田通りが走っている。工事中のエントランスも、マンションというよりは何かのお店の開店準…

十年前の住まい探し20

別のメガネとしての営業マン さて、話はまたマンション「鷺宮B」に戻る。 営業マンの八嶋智人似クンも大変である。この項目の17で書いたように、上司の営業部長氏のおかげで、彼の営業努力も海の藻屑と消えてしまったのだから。 ただ一言を付け加えて置きた…

十年前の住まい探し19

中古物件の属性 中古マンションの情報は、ネットからの入手方法もあるのだけれど、私の場合はチラシに頼っていたようだ。当然チラシだと自分の住んでいる周辺の情報しか掴めない。そういったことからいうと、それは購入というよりも、好奇心を満たすためだっ…

十年前の住まい探し18

中古物件の不運 私のマンション探しの対象は都内とは限らなかった。しかし実家のある埼玉県の草加市周辺を中心に、いくつかの物件をネットで調べてみたのだが、これといったモノはあまり見当たらなかった。そんな中で実際に「現地」まで行った二つの物件につ…

十年前の住まい探し17

営業部長氏、かく語りき 「値付けには絶対の自信があります」とマンション「鷺宮B」の事務室に鎮座する営業部長氏はのたまう。私がキライなメンバーリストに、「自信を強調する人」という項目があることを彼は知らない。 そんな彼に私は意地悪をする。 「で…

十年前の住まい探し16

マンション「鷺宮B」再訪 さて、そんなこんなでマンション探しの本史に戻ることにする。しかしツラツラ書いてみると、前史もそれなりに本史への「原始的蓄積」となっていたような気がする。特にバブルの余韻が残っていた時期と、私がマンション探しを本格化…

十年前の住まい探し15

バブル、その幻影と払拭 このような感じで、本格的にマンション探しを始める前にも、いろいろと土地や一戸建てを含めた物件の「見学」をしてきた。心持ちとしては実際の購入行動までにはまだ相当の距離を残していたけれども、最終的にはかなり意義のある「勉…

十年前の住まい探し14 

一等地のパラドックス まだまだマンション探しの前史が続く。さてその前史だけでなくマンション探し本史まで通じて、一番都心に近いマンションだったのは、目白の物件だろう。今から考えれば身分不相応極まりないのだが、新聞チラシを見て当時の住まいからも…

十年前の住まい探し13

バブルが弾けた場所に建つ物件 そしてマンション探しの前史はまだ続く。 マンション「都立家政A」を見た日は、そのままマンション「鷺宮C」も見に行くことにした。しかも止せばいいのに、そのまま歩いていこうとしたのだ。その大胆な行為を回想するだに当…

十年前の住まい探し12

マンション探し前史 これまで書いてきたのは2001年春から始めたマンション探しについてだけれども、実はその2年ほど前から、チラシやインターネットの情報を元にして、ちょっと気まぐれのように、いろいろと物件を見に行ったことがある。その中には、上落合…

十年前の住まい探し11

反対運動の存在感 東中野にはもう一件、マンション「東中野B」があった。それは東中野の新宿駅よりの改札を出て、つまり「東中野A」のモデルルームの横を通り抜けて、大久保通りへ向かう南北の通りの途中から右の坂を少し昇ったところにある物件だった。小…

十年前の住まい探し10

このコンセプトのままに マンション「東中野A」の価格は5000万円台後半で80㎡といったあたり。北側に建つあの早稲田通りのビル群がなかったとしたら、自分のフトコロ具合を省みずに、無謀にも購入を決断したかもしれない。価格と間取りと向きなどをいろいろ…

十年前の住まい探し09

近所さんにもご挨拶 鷺宮の物件の次に見たのは、マンション「東中野A」である。東中野駅周辺には、住んでいた賃貸マンションから自転車で5、6分なので、よく買い物や食事などで出かけていた。しかし東中野の新宿側、しかもその南側の改札には行ったことが…

十年前の住まい探し08

隣の窓からコンニチハ? 駅前で車から降りると、私は気を取り直して、マンション「鷺宮A」のパンフをチラリと広げてまた建設現場を確認した。あたりはなかり暗くなってきた。まず踏み切りを渡らなくてはいけない。もしこのマンションに住むとすると、この前…

十年前の住まい探し07

架空キャッチボールはできなかった。 「まだ内装が完了していないのですが、物件を見ていかれますか」 マンション「鷺宮B」の八嶋智人似の辣腕営業マンはそういう。遠路はるばるここまで来たんだし、見るのはタダなんだからと、傾きつつある陽射しの中を最…

十年前の住まい探し06

おっと風水、その手があったか。 「実際の敷地はどんなところだろう。歩いて行ってみるか」と、マンション「鷺宮A」の建設場所を聞くと、モデルルームが駅の南側だったのに対して、北側の新青梅街道の近くで、行くには踏み切りを渡る必要がある。 その踏み…