クルマに関するエトセトラ02

oshikun2010-05-26

 みんな太ってしまった。
 昨日はとっても眠くて、かなり雑な文をアップしてしまったが、今日はその続き。
 6年前のクルマの買い替えは趣味的なそれではなく、必要に迫られたもの。というのも、それまで足掛け17年ほど乗っていたクイント・インテグラに、致命的な症状が出始めたからだった。エアコンのガスを補充しても、数ヶ月に無くなってしまうのだ。ディーラーの診断では穴は見当たらないが、細かな穴が無数に開いているのではないか、ということだった。自分だけならエアコン無しでも根性で過ごせる(いまはもうダメ)のだけれど、ウチの年寄りを乗せることもあるので、いたしかたない。
 ということで、はなはだ非積極的なクルマ探しの日々が始まった。
 まず思い浮かぶのは、当然のことながら国産車のラインナップ。でもなぜかみんながみんな丸っこい。そして独断と偏見でいわせてもらうと、みんながみんなかっこ悪いのだ。かくゆうインテグラも代を重ねるごとに(一回だけマイナーチェンジでかっこよさが復活したことはあったけど)、みっともなくなっていったし、いろいろなスポーツカーならぬ、スポーティカーも、「いったいどうしたらこんなデザインになるんだろう」といった感じなのだ。
 そして考える。そしてミニバン・ブームの影響なのではないかと、ふと思いつく。つまりあの頃は、そして今もだがミニバンは、とにかくその広大な空間を武器として、破竹の勢いで売れていた、そして売れている。これはこれでクルマに対するユーザーの価値観が、パラダイムチャンジしたといってもいい。あるいはメーカー側の「商用車」的イメージ払拭大作戦に乗せられたといっても、またいいだろう。
 そのミニバンの利便性には、当然のことながらスポーティカーやセダンはまったく歯が立たない。当たり前だよね、方向性が違うんだから。で、劣勢の彼らがやったことは、少しでも乗り心地を良くしたり、空間を広げたりして、見果てぬ夢を眺めたいという、まさに爪先立ち的な行動に出て、ルーフを持ち上げたり、いろいろコチョコチョとボディをいじくって、結果、みっともないカタチになってしまったのではないか、ということだ。
 確たる例はステーションワゴンの悲劇である。荷物スペースの広さを武器にしていた彼らは、見事にミニバンに敗れていった。そこで自らの身体を膨らますことにしたのである。やがて見た目には、まさにミニバンといったステーションワゴンが登場することになる。その違いはシートが2列なのか、3列なのかの違いだけ。それなら3列がいいじゃん、ということになり、ステーションワゴンは、一部の車種を除いて、そのアンデンティティさえも失いかけているのである。
 あー、またずいぶんと本筋から離れてしまったが、私が欲しかったのは、ちょっとスポーティな感じのセダンか、ハッチバック。しかも年寄りを乗せるので4ドアが5ドアという、相当に狭き道となっていたのである。そしてそんな気持ちを無視する、「ミニバンでなければクルマじゃない」的な各メーカーのラインナップにはホントに目がクラクラしたのだった。
 すると目が別の場所にいくことになる。今まで輸入車のことなどは、ほとんど考えたことはなかった。確かにちょっとした憧れではあったのだが・・・。でも少しだけ視てみるかと軽い気持ちで、しかしながらかなり緊張した面持ちで、未開の地、「輸入車ディーラー」を訪れたのではあった。

[お知らせ]前回のタイトルは当初「クルマを巡る冒険」でしたが、冒険というほどでもないので、上記のタイトルに変更しました。