甘美な記憶の再生

oshikun2010-08-23

 誕生日ということで、ケーキをいただいた。もちろんツレにである。
 しかしながら小生は、ここんところ甘いものに興味をなくしていたのだ。
 というのも、実をいうと、遥かなる甘美な甘味の思い出ゆえに、某日某所、とある機会を得て、チョコレートパフェを、約30年ぶりで食したのだけれど、むむむのむ・・・だったのである。
 そんなことから甘いものへの期待は、すでにこの歳にしてありえないものと思っていた。
 でこのケーキ、聞けばデメルというブランドとのこと。服にしてもバッグにしても、そして何にしても、ブランドというものに関心のない小生、さらに聞けば、ここではザッハトルテという、一面にチョコレートをコーティングしたケーキが有名なのだそうだ。それはなにやら聞いたことがある。
 で、ケースを見るとキルッシュ・ショコラとある。ショコラはわかるが、キルッシュとは何ぞや。とにかくご開陳と見ると、直径15センチほどのそのケーキだが、一見しただけでも、そのへんのケーキとはチト違う。というのも、甘いものにはかなり辟易の小生が、やや満タンの腹を抱えつつも、「食べたい」と切に願ったからなのである。
 しかしその希求は儚くも、「はい、今日はここまで・・ね」という声で打ち砕かれ、次の日に日延べされるのだ。
 そう、犬でも猫でも人間でもやはり期待、というか「マテ」は最高の調味料である。翌日のこのケーキの美味なることこの上なし。新たなる甘美な甘味の記憶が、ここに生まれたのではあった。
 いやはや、ほんとにいろいろとありがとう。