京都へっぽこ珍道中 その四

 そうそう、茶寮・都路里で食べた秋限定なるメニューは「実(みのり)」であった。記憶が茫漠としているので、ネットから拝借することにした。
 玄米茶アイスに小倉あん、白玉、ほうじ茶、ゼリーにさつまいもが入ったパフェと甘露煮わらび餅、そして白玉団子の載った皿のセットで、値段は1365円也。
 むむむむ、字を並べていくだけで、口の中が甘くなっていく。確かにツレのいうように清楚な甘みで、まったくしつこさを感じない。
 以前、このブログで「パフェはもう食べないだろう」というようなことを書いた気がするが、早くも撤回となってしまった。
 しかし、やはり甘いのである。やっぱり磯辺焼きにしておけばよかった。食べ物を残すという習慣というか、事態になったことがほとんどない私ではあったが、皿の方の半分はツレに譲ることにした。
 すると、いつもは私の半分ほどのキャパシティしかない彼女の胃に、それはスルリと落ちていくのだ。
 まさに「お菓子は別腹」である。
 そういうことで、不思議な昼食が終る。私はパンで夕食を済ますことができないのと同様に、朝食を甘味で終らせたことがなかったのだが、今晩の食事はツレのおごりということなので、まあいいことにしよう。何事も経験である。
 そして二人は、今までの書き込みで何枚かの写真を紹介した詩仙堂へ向うことにした。
 ええと、バスはどこから来るのでしょうか。
 またしても路線図を広げるが、どうもそちらに行く便は少ないようだった。
 すると甘いモノを大量摂取して、名実ともに太っ腹になったらしいツレがこんなことをいうのだ。
 「いいよ。タクシーで行こう」
 ちょうどそこに向こうからタクシーがツツツーとやってくる。
 そして我々は、とりあえず東大路通を北上した。あとの道は定かではない。
 途中、右手に(一部では)有名なガケ書房を目撃した。建物はユニーク極まりない。
 ううう、私だけ降ろして欲しい。
 そんな心中を察することもなく、タクシーは進む。ツレは運転手さんとライトアップの話で盛り上がっている。でも夜は食事だろ。
 そしてタクシーは詩仙堂の門のまん前で停車する。
 なんなか静謐な佇まいで、いいではないか。
 角が丸く削られた石段を昇ると左手に受付がある。そしてその先が、ちょっと普通の住居の玄関にも見える入り口だ。そこを抜けて広間に上がるとその先に、素晴らしい風景が広がっていたのだ。★ちょっと飽きてきたかもしれないけど、今回も詩仙堂の紅葉です。