スコットさんにお願い

 『大聖堂』、2回目の放送。やっぱりダイジェスト感は否めない。今回も随所に原作と違うところがあって、それはそれで面白いのだけれど、物語をまとめるためのそれだとすると、やや残念でもある。
 ジャックが聖堂に火をつけるシーンでは、彼の逡巡がほとんど表現されていない。原作では主な登場人物の心の揺れの表現が魅力のひとつなので、ドラマではしかたのないことだけど、もう少し、ほんの5秒程度でもいいから、迷いのシーンがあって欲しかった(見逃したのかもしれないけど)。
 原作では聖人の遺骸を持ち出せたのに、ドラマでは落下物に砕かれている。これものちの展開をわかりやすくするための処置なのだろう。さらにアリエナと捉えられた父との再会シーン。なんと彼女の方からリチャードを伯爵にすると約束している。これもあとのニュアンスに影響してくるはずだ。
 ドラマは2回分で、物語の2冊目の最初のあたりまで来た。でもあと6回でどれだけ描けるのだろうか。やっぱりスコットさん、30回バージョンを制作してくださいよ。