人類最大の内燃機関

 3日に放送されるNHKの「コズミックフロント」はサターンⅤ型ロケットの特集だ。そう、人類を初めて月へ送り込んだあのロケットである。特に一段目のF2エンジンにスポットを当てるようなので楽しみ。
 しかしあれからもう42年である。今回の番組スタッフもたぶんほとんどが当時のことを知らないだろう。もちろんリアルタイムを過ごしていないからといって、番組を作れないわけじゃないし、そんなことをいっていたら、誰も江戸時代や明治維新のことを語れなくなる。でも、また当時のことを知っている人がいるってことは、番組スタッフにとって、それなりの緊張感を与えることだろう。
 残念ながら、昔の宇宙計画を特集した番組ではよく間違いを発見することがある。例えば、月に向かってといっておきながら、画面がサターン1B型だったり、最初の月着陸といっていながら、のちの月面車を映していたりするのだ。まあ、そんな微笑ましいミステイクに、横丁のジジイ的な突っ込みをいれたくなるのだ。でも今回の番組では、ぜひジジイをうならせていただきたい。アポロをバラエティ的に伝える時代は過ぎ去り、すでにしっかりと歴史になってしまったのだから。