現代史(基礎)、レーニンの髪

 ツレが池上彰さんのファンなので、彼の番組をボーッと観ることが多い。
 でも確か池上さんは、テレビ出演を止めて、取材活動に専念するっていってた気がするんだけど。
 その池上さんの解説っていうのが、そこそこいい線をいっているというか、微妙な線をうまく逃げているという気がする。だから今までとりあえずひとり舞台が許されていたわけだ。
 今日観たのは、テレビ東京のBSで信州大学の学生たちへの授業を、そのまま番組にしたもの。基本的には学生たちが相手で、「現代史(基礎)」と掲示があるように、まさに基本のキ的な内容なんだけど、今回はどうもアバウト過ぎる。歴史はこんなにも単純じゃないだろう。実際にその場に専門の歴史家がいたとすれば、きっと苦笑いしっぱなしになっていたんじゃないのかな。
 例えばソビエトの食料危機については、たくさんある原因の一つだけを取り上げて、しかもその説明が不十分だし、いつの事なのかには触れていないのだ。他にもいろいろと突っ込みどころがあったけど、止めておこう。
 でも最後にひとつだけ。これは池上さんの解説ではないのだけれど、途中に挿入される映像の説明には、「引き倒されるレーニン像」とある。でもこれはどう見てもKGBの創設者であるジェルジンスキーの像。KGB本部の前には彼の像がすっくと立っていたので、それが倒された映像なのだろう。髪の毛もレーニンと比べると豊富だし。スタッフのみなさん、ジェルジンスキーは知らなくても、レーニンじゃないというくらいわからないのかなぁ。
 つまりまあ、そういった人たちによって、「現代史(基礎)」は作られていたというわけです。