意味がまどろみから目覚める。

 『ゴールデンスランバー』をテレビ放映で観る。あれほど話題になっていた小説であり映画だったのに、このタイトルとビートルズの曲が私の中では結びついていなかった。ヤレヤレである。
 しかしあのアビーロードのB面の一曲が、学生仲間の愛好曲となっていた設定は意外でありつつも、いい感じだ。まあフツーならすんなり「サムシング」か「ヒア・カムズ・ザ・サン」ということになるだろう。おっとこれは両方ともジョージの曲。考えてみれば解散直前と直後あたりの彼の活躍ぶりは、なかなかのものである。しかしそれはまた別の話。
 この「ゴールデン・スランバー」を最初に聴いたのは、推測するに1974年ぐらいではなかろうか。それから幾年月、ええっと37年ほどになるわけだけど、恥ずかしいことに、ずーっとその意味を知ることはなかった。
 さて直訳すると「黄金の眠り」という意味のゴールデン・スランバー、『ビートルズ詩集』(訳:岩谷宏)によると「輝くまどろみ」である。ちなみに原文ではスランバーのあとにSが付いている。眠りといえば、解散後にジョンは確かポールに対して「眠れるかい」なんていう曲を「贈った」はず。ところで、このSLUMBERSのBERを取るとSLUM、つまりスラムとなってしまう。
 これを機会にと、まさに37年前に買った『アビーロード』、あの赤い半透明の盤をターンテーブルに載せてみた。当然聴くのはB面である。ううんやっぱり「ヒア・カムズ・ザ・サン」のジョージのギターはいいなぁ。あれ、これってジョージだよね。クラプトンじゃないよね、ってまたジョージに戻ってしまった。