昼下がりの核戦争

 DVDも持っているけど、今日の午後BSでタルコフスキーの『サクリファイス』を放映するということで、改めて観ることにした。ホントいい色だ。美しい写真集のページをゆっくりとめくるようにシーンが展開する。
 そしてこの映画は長回しが多い。主人公と子供が木を植えているところから郵便配達がやってきて去るまで。そして妻とその愛人がやってきてまた去るまでを2カットで撮っている。また二人だけになった主人公と子供の周りの草の緑は『惑星ソラリス』の水草に通じると思う。
 ツレはこの辺まで観ていたのだが、眠くなったと別の部屋へ引き上げた。まあほとんどの人にとってタルコフスキーは睡魔誘発効果絶大なのだ。
 私も昼下がりに2時間半もこの映画と付き合えるかどうかやや不安だったが、それはまったくの杞憂。ゆったりとした進行ながら、時計の針の動きは速かった。
 この映画、核戦争を題材にしているのでSFと捉えることもできる。『惑星ソラリス』や『ストーカー』とで3本、さらに『僕の村は戦場だった』や『ノスタルジア』の幻影的なシーンでこじつけるとタルコフスキーは立派なSF映画作家ということになる、・・・かなぁ。