外部燃料タンクの再利用法

 スペースシャトルの個々の名前を確認するために、「スペースシャトル30年のすべて」(別冊宝島)というムックを紐解いたのだが、こういった雑誌や本にはよく不思議な想像図が載っている。
 今回たまたま発見したのも、そんな一枚で、そのムックの41ページに掲載されている。そのイラストには、皿の中心部分を繰り抜いたような宇宙ステーションが描かれていて、その穴とは垂直にソーセージ状の何かが浮いているのだが、よく見るとそれはほぼ間違いなくスペースシャトルの外部燃料タンクなのだ。
 キャプションによると、これは1977年にNASAによって構想されたもので、スペースシャトルの宇宙飛行士の拠点、月や火星へのミッションのオペーレーションセンターになるというのだ。
 うーむ、しかしこの湾曲した皿状の面は太陽電池パネルにはできないだろうし、この程度の直径だと人工重力も作りにくいはず。しかし最大の謎はどうしてここに外部燃料タンクがあるかということだ。
 ご存知のように、スペースシャトルではこのタンクは軌道上から落下して、大気圏内で燃え尽きる。そんなタンクがどうして宇宙ステーションの近くにあるのだろうか。通常そこにあったにしても、中身はほぼゼロだから、意味をなさない。
 ということで考えられるのは、スペースシャトルタンクローリーにして、この宇宙ステーショをガスステーションにしてしまうことだ。しかしいったい何回スペースシャトルが往復すれば、このタンクを満杯にできるのだろうか。むむ、この燃料を月や火星への旅に使うとすれば、ありえない話でもないけど……。
 さて、さらによく見ると、添えられたスペースシャトルもややチープである。ほんとうにこんなことを1977年に考えていたのだろうか。もちろん、他にもこのタンクを活用する方法はあるとは思うのだけど、うーむ、思いつかない。