メトロに乗って、マジソンバッグ

 先日、テレビで映画「メトロに乗って」を鑑賞した。たぶん短縮版だったのだろうから、その内容の良し悪しをここで書くのはやめておきましょう。
 ただ物語が始まってあまりたたないあたり、つまり主人公が最初のタイムトリップするまでつまり恩師の登場や誰もいない地下鉄での展開はとてもスリリングだったのに、そこを抜けてたどり着いた場所にいる学生には驚いた。
 なんと我らがボストンバッグを持っているではないか。映画で描いた時代は東京オリンピックのあたりなのに。
 そう、この件はすでにネット上にも書かれているので、ここで騒ぎたててもしょうがないのだけれど、時代を際立たせるための小道具が、見事に大間違いをやらかした事例としてこれは後世まで残るに違いない。
 あのマジソンバッグ、そうマジソン・スクエア・ガーデンと英文と記された、当地のその施設とは何のかかわりも無い、ほとんどすべてのボンクラ高校生が持っていた、あの安価なスポーツバッグが一世を風靡したのは、まさに我らが70年代なのであって、映画が描くところの60年代とは一昔も違うのではあった。
 たぶん時代考証の担当者も放送の度に冷や汗モノなんだと思う。
 なんて、人のポカをあげつらっている立場ではありませんね。