ジム・ビーム・ホールの弦の響

 最近バーボンのコマーシャルが復活しているように思う。いったいどうしたわけなんだろう。ジャック・ダニエルのCMは意味不明だし、アレ、あとなんだけっけ、アーリータイムスか、いやジム・ビームではなかったか。
 といいつつも、実はかなり酔っ払いつついまこれを書いている。というのも、そんなコマーシャルに影響されて、近くのスーパー、マルエツで一番安いジム・ビーム、999円也と炭酸水40円也を買ってきたのは今日の夕刻、それを今カパッと開けてツレと飲んでいたところなのだ。いやはや、ここまで書いてきて、なんともミスタッチの多いことよ。
 昔々の中学生時代、リバイバルの映画「卒業」を友人といっしょになんと立ち見で鑑賞して、ダスティン・ホフマンがミスター・ロビンソンに酒を勧められて、「バーボン」と彼が答えるあたりから、バーボンというのはカッコイイ酒だとばかり思っていた。それがいわばアメリカのド田舎の焼酎(偏見いっぱいのことは重々承知しています)的な飲み物であることを知ったのは、最近のこと。いやはや、輸入業者の適格なマーケティングに幸いアレ。
 ということで、意外にもしたたかにソーダ割りのバーボンを飲みつつ、掛けるレコードというかCDは、ジェリー・マリガンの「ナイト・ライツ」とあいなった。このアルパムは知る人ぞ知るの佐々木譲さんの小説の最後に流れる曲なのである。
 そのライナーノートを見れば、記されたミュージシャンの豪華なことにまたも驚く。特にジム・ホールは私の大好きなギター弾きで、ビル・エバンスとの「アンダーカレント」は絶品であることを酔っ払いの私は保障する。そして今日は、これからバーボンの海にどっぷりと抱かれることにしよう。