壇上の夜02

 というわけで、東京會舘には4時少し前に到着。まだ雨は降り出してはいない。
 日本SF作家クラブ総会のためにエレベーターに飛び乗ると、偶然にも瀬名秀明会長といっしょになる。まずは、お疲れさまです、と挨拶。そしてとある原稿に関してのお礼を伝える。機会を与えてくださる気配りが嬉しかった。
 会場は11階のエメラルドホール。エレベーターから降りると、すぐそこのソファに渡邊利道さんと山口優さんが座っていた。こういった催しは決まって渡邊さんがソファに座っていて、私が声を掛けるというパターンで始まる。
 しばしよもやま話をしていると、すぐに定刻となったので受付へと向かう。その先に増田まもる事務局長の顔が。宝塚市手塚治虫展に行ってこられたところとか。渡邊さんはそのイベントにメッセージの葉書を送ったという。私も葉書にヒョウタンツギを描いたと答えると、なんと渡邊さんも同じだっという。またもや何たる偶然。確かに一番書きやすいキャラクターだけどね。
 評論賞チームの岡和田晃さんや宮野由梨香さんとも合流して、テーブル席ではなく、窓際の席に座る。はい、わきまえています。
 岡和田さんは急遽作家クラブTシャツのモデルになることが決定。そして定刻を少し過ぎたあたりで総会が始まる。いろいろとありましたが、もちろんここでは書きません。
 終わったのは、6時の15分ほど前。次は徳間文芸賞、つまり大藪春彦賞日本SF大賞の贈賞式が行われる9階のローズルームへと移動する。
 今回は同伴者が一人だけいる。妹の職場で宮部みゆきさんの大ファンという青年に、もしかすると宮部さんがいらっしゃるかも、と伝えると「ぜひに」とのことだったのだ。待ち合わせは受付の近く。「一階に来ました」とのメールとともに、たぶん息子といってもいい年齢の好青年が現れた。はたして彼は満願成就できるのだろうか。