石を投げればレンズに収まる。

 いつものように公園を歩いていると、今度は大の大人が石を拾って、池のなかの水鳥に向けて投げている。私がその場に行くまで、何度も繰り返していたようだ。それもかなり屈強そうな体格。うーむ、鳥に石を投げて何が面白いのだろう。
 しかし、意志薄弱な私は、子どもには注意したのに、その男にはとてもなにもいえない。ただ軽蔑の視線を強く送るだけだ。この臆病者め。
 でも、そうだ。鞄の中にコンパクト・デジカメが入っているではないか。
 で、私は彼のほうとはほんの少し向きをずらして、公園の風景でも撮るようにカメラを構えた。それをほんの数秒やったら、効果テキメンだったのか、彼はその場所から離れていった。
 ということで、皆さん、変なことしている人を見かけたら、カメラを持ち出しましょう。でも決してその相手に直接向けてはいけません。難くせを付けられてしまうかもしれませんから。その相手にはぜんぜん関心ないふりをしつつ、近くの風景をファインダーに入れましょう。
 でも、何かあっても、当方は責任は取りませんからね、あしからず。

★写真はいつものカワセミくんの背中です。屈強な男の石もここまでは届かず、本文とは関係ありません。