なんのこっちゃ的ソラリス短歌

 オキシタケヒコさんの「遊星からの物体X」短歌に影響されて、ツイッターになんちゃって「惑星ソラリス」短歌を書いてみましたが、ここではさらに四つほど増やして、順番変えて、ちょこっと直したりしたものを載っけてみます。
 映画を観てない人には、毎度のことに何じゃこら的ですが、まあそんなのはいつもなんで、ごめんなさい、です。
 ちなみに描いたのは、映画の最初の地上シーンのみとなります。

清流に 水草揺れて 浮かび来る 紅き一葉 わが目を射たり

原に立つ 男一人に 鳥の聲 枯草動き 静寂に入る

あゆ男 抱える小箱 黒馬寄り 戯れて去り 水辺に至り

手洗いて 呼ぶ声を聴く 振り向けば父 友来るを告ぐ

友の子に 隣人の少女 近づきて すぐに打ち解け ブランコが待つ

雷鳴の 音が連れたる 降雨のもとに 男佇み 器溢るる

明日より 旅立つ男 永久のとき 隔てる宙に 水滴りて

鉄の箱 入れる地の草 その横に 土に汚れし ドン・キホーテ

機械音 挟みてながる モノクロの 一人汗ふく ただ若き友

友の影 羞恥を受けて 在りも無し 苦悩も満ちる 意を得たきまま

ガレージの 汚れる車 朽ちるまま 控える黒馬 旅にいななく

友のいう ヒロシマの非に 関知せず 理知なる姿勢 海まだあらず

交わしたる 言葉の意味も 深淵に落つ 知らぬを知りぬ

壁にある 母の写真 広がりて 男の中に 溶けたるごとし

燃やしたる 書類の束に 紛れたる 火に照らされて 妻の顔あり

炎にて 舞い上がりたる 思い出が 伯母の涙に 遠くを霞む

車いく 赤プリ無きも ひた走り やがて光は 洪水となる

テレビには 寄り添ふ子さえ 映りたり 彼のみつめる 先になにある

憤怒にて 高速走り 最後とて 伝えたること アナタは私