さよならF1 その六

 昔は昨日書いたようにポイント争いが佳境に入りつつあったとき、例えばまだチャンピオンの可能性を残していたアロンソのために、マッサを無理に二番手にしたことがあった。そのときは不満を持ったマッサが最終周回の最終コーナーでブレーキングして、これはチームオーダーなんだけど、僕は不満なんだって、はっきりアピールしたし、観ている側も、まあ、チャンピオンシップが掛かっているから、よくないことだけど、まあありうることかも、などと残念なことだけどね、と思ったものだ。
 でも今回は、グランプリのトップを走る四台へのチームオーダーで、もしそれがそのまま履行されていたら、とてもつまらないレース終盤になったはず。まだ第二戦だし、まだまだポイントランキングも何もあったものじゃないのにね。
 ということで、こんなにもレースをどうしようもなくさせるチームオーダーを周辺の論者たちも含めて後生大事にするという事態は、F1の自殺行為そのものではあるまいか。これじゃ、スポンサーは付いてくれるかもしれないけど、ファンは、さてどうなのだろうか。