マッシュポテトを見つめて、いた時代

 昨日の富士山のちょっとピンぼけ写真をアップしつつ、「お座敷小唄」の歌詞を思い出していたのだけれど、もう一つ頭に浮かんだのが、おなじみの「バケーション」という洋楽だった。
 あの「お座敷」と同様、もちろんレコードなど持ってはいないけど、歌詞のある程度は、脳みそ集積回路にこびりついている。なぜそれがぽっこりと浮かんだかというと、日本語の歌詞に「マッシュポテトを見つめて」というのがあったはず、だからだ。
 当時の子どもの理解は、この部分は冬休みの表現だったので、マッシュポテトを雪山に見立てて、そこで遊ぶことを連想していた。たぶん昔々の歌番組「ピットパレード」で歌われていたのだろう。
 しかし調べてみると、その記憶が間違いであることが、なんと四十年ぶりに判明したのだ。当時の洋楽の傾向で、日本人が歌ってもやや舌足らずになり、結果「見つめて」となったのではなく、まさに聴こえる通りに「みずべで」だったのである。でも「マッシュポテトを水辺であの人と踊ろう」では変なので、脳内変換して「見つめて」にしていたのだろう。
 しかしそのマッシュポテトとはツイストに似たダンスの一種で、ステップがポテトをつぶす動作に似ていたことからその名前になったのではあった。
 うーむ、これでやっと「マッシュポテトを水辺であの人と踊ろう」を意味が通ることになる。
 この歌詞は金髪ギャルがアンニュイに頬杖をつき、マッシュポテトを見つめながら、ゲレンデに思いをはせるのではなく、彼女はただ陽気に水辺でダンスを踊っているのだ。あーあ。
★昨日に続き富士山の写真。今度はなだらかゲレンデみたいな雲。