最初から色が付いている小説

 村上春樹さんのひさしぶりの長編小説発売が話題である。しかし、なぜ話題なのか。売れるからである。なぜ売れるのか、話題になっているからである。
 あっ、でも発売日そのものが話題になっていたんだね、というかパプリシティ効果を狙ったイベントと化したいたわけだから、この説?の信憑性も微妙なのだけど、そんな意味不明(ウィンドウズと同じだよね)なことが、この循環のための一押しになったことは確かだろう。
 こんなプロモーションを、はたして村上さん自身はどう思っているのだろう。どこかで誰か、聞いてくれないかな。ほんとは島森さんあたりが適任だったんだけど。
 ちなみに私はまだ買っていない。昔々の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』で出たときには、こっそりと会社を抜け出して、駅のベンチでしっかり読み始めていたのにね。
 で、まったく関係ないけれど、名前に色が付いているって、ポール・オースターの『幽霊たち』を思い出す。こちらは名前というよりも符号のようなものだけど。そういえば、オースターを読んでた頃、すごく村上作品に似ているな、と感じていた。でも、どこがだろう。もう遥か昔なので忘れてしまった。