面ではなく、線。

 またまた他力本願で、『市民の暦』から引いていく。
 1969年のこの日、新宿の西口広場が西口地下通路と名称が変更された日である。
 いちいち説明するのも、ナンなのですが、一応。
 当時この広場では、毎週土曜日にベ平連の若者たちのフォーク集会を中心に多くの人が集まり、そこここではさまざまな討論やアジテーション、カンパ依頼が行われていた。しかしそこが通路になったことで、立ち止まることを許されなくなり、何かをしようとした人は機動隊員によって、排除されていった、というわけである。
 そこは以来、通路のままである。数人で何かをやることはどうやらお目こぼしとなるが、運動の体をなせばたぶん有無をいわせずに立ち退かされるだろう。この日、社会的な人々の空間はこうして面ではなく、線になった。