不必要の必要 その十七

 書き込みがまた時間の歪みの中に入り込んでいく。
 さて昨日書いた友人TO、たまたま私とイニシャルが同じだが、もちろんまったくの別人で、架空人格でもありません。
 その彼の部屋に入って本棚を見ると、中一としてはかなりの数の「大人の本」が並んでいるではないか。ぼんくら頭ゆえそのタイトルは完全に忘れているが、とにもかくにも、自分と同じ年齢にして、これほどまでにアンデンティティの証左としての書籍を持っている人間が目の前にいることに圧倒されたのだ。まあ今となっては背伸びをしていたのかな、とも思うけれど。
 その衝撃は図鑑などが並ぶわが本棚をなんとも陳腐なものにしてしまう。そして私はさっそく同様にインパクトを受けたらしい友人といっしょに本屋へと急ぐのだった。
 探すのはやはり宇宙や宇宙開発に関する「大人の本」である。しかしまだ書店にはその類の本が少なかったことから、まだ月への一歩は記されていなかった時期なのかもしれない。そんな状況にありながらも、買った本はまた明日のココロ。