不必要の必要 その十六

 さて、小学生時代に買った図鑑の話から、いろいろと意味不明っぽいことをつらつら並べてきたが、なぜにその時代に話が及んでしまったかというと、中学に入ってすぐに、エポックメーキングな出来事があったからで、そのことを書こうと思いつつ、12月4日の書き込みあたりで、その前の本棚の具合をおさらいしようとしたからなのだ。
 誰でもその年齢になれば学生服を着て中学校に行く。最近はブレザーだったり、制服がなかったりもするようだが、自分の場合は男は学生服で女子はセーラー服というきわめて普通。
 で、そこで少年はなんというかアンデンティティの不安みたいなものを感じた、のではあった。教室のみんなが自分もその一員でありながらも学生服とセーラー服という環境に、違和感を持ったのである。つまり早い話が精神年齢がまだ学生服が醸し出すものに到達していなかったのだ。
 そうそう、四月には学生服で小学生のようにじゃれ合っているピカピカの中学生とか、その振る舞い方がなんとも学生のままのような新入社員を見掛けることがあるよね。まさにそんな感じ。
 でもいいや、まだまだガキンチョだと割り切って野山を走り回っていたとある日、新しく友人となったTOくんの部屋に入る機会を得たのだったが、はたしてそこで見たものとはいかに。