万博との44年ぶりの再会 その一

 二日に東大の本郷で大阪万博の展示映像のイベントがあったので、のこのこと出掛けてきました。記録映画アーカイブ・プロジェクトの第12回のワークショップで、題して「戦後史の切断面その? 万博とアヴァンギャルド」。
 今までこのような催しが行われていたことはまったく知らず、今回はツイッターでフォローしている方が、またどなたかをリツイートしていたことで知ることができたのでした。物おぼえが悪いので、どなたから教えてもらったのかもう忘れてしまいました。
 さて、池袋経由で、雨模様の丸ノ内線本郷三丁目駅を降りる。東大には昨年もロシアの現代文学のイベントに行ってきたばかりなので、場所はすぐに判明。赤門をくぐってすぐ左のコンクリート打ちっぱなし的な建物が今回の会場。
 開場時間より20分も前に着いてしまったけれど、すでに十名程度の先客があり、さらにどんどん増えていったので定刻よりも早くホールへと案内された。極端に横に広がったスペースで扇状に席が並んでいる。
 その後もどんどん客が入り、開演時間の午後一時半近くにはスタッフがたくさんの補助席を用意していく。
 後ろでは学生っぽい若い声の二人が映画談議をしている。
 最近、何か面白い映画観たかい。
 「去年マリエンバード」なんかどうかな。
 えっ、どんな映画なの。
 簡単にはいえないし、よくわからないけど、スゴイ作品だってことはわかる。
 「惑星ソラリス」的な。
 まあそんな感じ。
 といった感じの会話を耳にしながら、私はほとんどの席が埋まっていくのを眺めているのだった。 (続く)

★ほぼ初公開。44年前の某氏。