万博との44年ぶりの再会 その二

(昨日の続き)と、前の席に座ったご婦人二人、そのおひと方はどうやらあの「あまちゃん」に出演したベテラン女優さんではないか。ふむ、間違いない。と、いろいろありつつイベントは始まる。
 滑舌のいい口上のあと、まずニュース映像で大阪万博のようすが紹介される。ここにいる人の多くがその場に行ったことのないはずなので、そういった人への説明も兼ねるとのこと。
 まず準備段階、泥だらけの地面にテーブルを置いて、関係者が皇室の方に図面で万博会場の造成のぐあいを説明を受けている。戦国時代の合戦の指示みたいでおもしろかった。開会式は旗と行進で東京オリンピック方式を踏襲している風。ファンファーレも昭和の香りで心地いい。巨大ロボットからたくさんの子どもたちが飛び出してきて、トロイの木馬かい。開幕後の風景には着物姿の女性多数。あの頃はよく観られたんだね。そして太陽の塔の目に籠城した「活動家」。よくぞあすこまで登ったものだ。
 しかしこの程度の映像しか残っていないのはかなり残念。いやニュース映像に限定したからなのかな。あのころは毎週、テレビの「万博アワー」とかいう一時間番組で会場のようすが紹介されていたはず。
 続いて上映されたのは東芝IHI館の「希望」という映像。
 このパビリオンには入場していたので、何らかの記憶が甦るかと期待したけれど、そんなことはまったくなし。
 会期中はドーム状の天井に9面のスクリーンがあり、そのそれぞれに映像が映され、それを下からせりあがってくる巨大なテーブルに乗ったたくさんの観客が眺めるという方式になっていた。
 しかし他の映像にもいえることで、主催者も何度か強調していたけれど、今日の会場のスクリーンで当時のニュアンスを理解することは、残念ながらほとんど困難なことなのだ。(続く)