タルコフスキーの82回目の誕生日

 4月4日はアンドレイ・タルコフスキーの82回目の誕生日です。
 82歳の誕生日といえないのが、とても残念する。もし1986年に亡くなっていなければ、私たちは彼からどんな作品リストを受け取っていたでしょうか。
 私は1977年に「惑星ソラリス」を観たときのよく憶えています。今までの映画とはまったく違ったその表現方法に驚き、ほぼ理解できないながら、彼の世界の心地よさを感じつつ、映画館の階段を降りていったのでした。
 以来、別の作品を求めて都内の名画座を巡りました。しかし彼の作品リストは少なすぎます。確か「鏡」と「アンドレイ・ルブリョフ」、そして「惑星ソラリス」の再鑑賞は名画座で、「僕の村は戦場だった」はテレビのトンデモな吹き替え版で、「ストーカー」、「ノスタルジア」、「サクリファイス」は公開直後に映画館で観たと思います。
 やがてビデオデッキが普及すると「ミッドナイト・アートシアター」での「惑星ソラリス」の放映を録画し、何度も観ることになります。
 しかし画期的だったのはDVDの発売でした。ですが私はそういったものが苦手で、DVD機器を購入したのは普通の人より遅かったはずです。
 しかもそれにはきっかけが必要でした。あの大事な「惑星ソラリス」の録画ヒデオがデッキに引っかかり、再生できなくなったのです。これはもうDVDを買うしかありません。
 DVDはビデオと違って静止画像が比較的きれいで、そしてふと、その画面に映る絵画がのことが気になりだしたのです。
 そうして、今のどっぷりに本格的に踏み込むことになったのでした。
 タルコフスキーの誕生日の二日後の6日、4月のSF乱学講座では、その「惑星ソラリス」を中心に、そのほかの映画に関しての個人的感慨や思い込み、そして独断的見方などなどを、つらつらお話しますので、よろしくお願いします。
 高井戸区民地域センターで、午後6時15分からです。

★昨日の写真とほぼ同じですが、微かに並びが違っていて、まったく見ないわけでもないようです。あのモモンジもつぶらな瞳を輝かせています。向かって右の方にはタルコフスキーが「ストーカー」のシナリオをストルガツキー兄弟に読んでもらったはずのベケットの『モロイ」が並んでいますが、恥ずかしながらまだ読んでません。そしてクイズです。そのさらに右にほんの少しだけ見える本のタイトルは何でしょうか。ヒントはタルコフスキーの愛読書です。そして小さく見えているのは、タイトル文字の一部です。