北の想像力への極私的歩み その四

 昨日「やめときます」と書いたはずなのに、平野甲賀さん本の発掘、やってしまいました。
 といっても大型本と文庫本は未発掘で、ただ単行本の背表紙を眺めて「これはもしかして」と思って開いて見つけたもののみ。たぶんまたまた埋もれているはず。
 この写真を見ると表紙が特徴的なので「探すの簡単ジャン」と思うかもしれないが、実際の背表紙は明朝体を使ったオーソドックスなものが多くて、一見で「あっ、平野デザインだ」と感じるのは少し難しい。それでもなんとなくオーラっぽいものも出ているから、これだけ見つかったのかな。
 ちなみに束のある、つまり厚みのある本に限って、背表紙にもあの「平野文字」が使われている。つまりあの文字が展開するのには一定の広さを必要なのかも。もちろん『北の想像力』の背表紙にもあの文字が躍ってます。

 まあ、かつての晶文社が多いのは当然として、あの独特のタイポグラフィじゃない装幀もちらほらとある。
 筆者の常連は長田弘さんや鶴見俊輔さんだけど、意外なのは、P・K・ディックやティム・オブライエン村上春樹訳『ニュークリアエイジ』あたりかな。
 これを撮り終えて書棚に戻そうとしたら、取り出していた本がもうひと山にあることら気付いた。あれれ、なんたることか。こちらは久野収さんや戸井十月さん、ダグラス・ラミスさんたちの七冊。
 あっ、そうそう、写真には『北の想像力』のガイドブックにある『となりに脱走兵がいた時代』がチラリと写っています。