北の想像力への極私的歩み その18

 というわけで(どういうわけだか)、今年の話。
 それも昨月の23日、私はブックファースト新宿店でさまよっていたのだった。というのもこの書店、本の配置が一般的な方眼状ではなく、まあるい島がいくつも点在していて、その壁面に本がいわばへばりついているような造りなのである。
 なので、若い人にはオシャレーに見えるのかもしれないが、私にはアルジャーノンでもないネズミになったように狭い路地へと迷い込み、いったい自分が店内のどのあたりにいるのか、ふとわからなくなってしまうのだった。
 そんなせいか、いやそもそも新宿西口方面にあまり用がないせいか、このブックファーストに入ったのは。これまででニ、三回だけだと思う。
 しかし今日は『原色の想像力』の英明なる先輩である酉島伝法さんと宮内悠介さんのトークショーが行われると聞き及び、実験動物になるのを覚悟で出掛け、さっそく会場がどこだかわからなくなってしまった。
 しかしそんなことなどまったくなかった風でやっと会場前の列に並ぶと、やはりお馴染みの顔と顔、いやいやどうもいやどうもといったあんばいのまま、定刻となる。司会はお二人の生みの親的な存在である大森望さんで、今回の趣旨は、二人のおすすめする東京創元社のベスト5の紹介だというが、それも絶版本はダメという縛りあり。
 さぁて、どんな展開になったのかは、明日のココロ。
 で、不思議なのは、これでいつしかこのタイトルにつながるってことなんですけど……。大丈夫かな。