宇宙博へ行ってきた。その十七

 さて前回の「宇宙博に行ってきた」で出した問題の答えがまだでした。
 もう書いた本人も忘れつつあるので、これなーんだ、というその写真を再びアップしてみませう。

 はい、なにやらレトロっぽい自動販売機に見えなくもないですが、これこそ人類が無重力下で初めて用を足したトイレで、最初の宇宙ステーションであるスカイラブに装備されていました。真ん中の穴にお尻をあてがい、青っぽい取っ手で身体を押し付けたんでしょうね。穴の下にあるのはたぶん小の方の出口を乗っける部分かと思います。
 それまでの宇宙飛行は大きい方はオムツのようなものにそのままして、あとで処理したり、小さい方はホースのようなものをあてがったりしていたそうで、いろいろとここでは再現するのもはばかれるような悲劇も幾たびかあったようです。
 しかしそれもしょうがありません。とにかく空間がなかったのですから。アポロになって、少しだけ余裕ができましたが、それでもホスピタリティを考慮する余裕などなったくなく、一番せまっ苦しいジェミニは、まったく身動きが取れないF1のコクピットに蓋をしたような状態のまま、最大二週間も飛行してました。その前もマーキュリーもほぼ同様です。
 このスカイラブはただトイレがあるだけではなく、三人の乗組員の私的空間やシャワー室(!)、食事用のテーブルも設置していたのですから、今までの宇宙での暮らしとは雲泥の差でした。
 ところで出したものはどうなったのか、ちゃんと地球に持って帰って研究材料になったとのこと。写真の下の方にある長く四角い入れ物が各自のそれを溜めていた箱だったのでしょう。ちなみに国際宇宙ステーションではそんなことはせず、船内で有効活用(!)しているみたいですね。うーむ、どうだろ。
 追記すると、スカイラブのシャワー設備は飛び散った水滴を処理するのが難しかったりして、その後の宇宙船には完備されていません。つまり宇宙でシャワーを浴びた人間は、今でもスカイラブ計画に参加した九人の宇宙飛行士だけなのです。