「みちくさ市」デビュー

 鬼子母神通りの「みちくさ市」に行ってきました。この季節にしてはかなりの暑さで池袋から汗をかきつつ、ちょっとだけ道に迷いつつ午後2時半頃に到着。
 まずは都営荒川線近くでバッジ3つと『パッチギ』と『華氏911』のパンフレット2冊を購入。おいおい古本市に来たのではなかったのかよ、などと思って線路の向こう側を見ると岡崎武志さんの顔が見える。
 ただいまお客さんとチャペックの本をネタに談笑中。私は腰を落として何やら古めかしいノートを手に取ると、岡崎さんが「いろいろと書いてあるんだけど、意味がわからなくてね。解読してみてくださいよ」と声をかけて下さる。一読者としては恐縮至極。そして岡崎さんの詩集『風来坊』(スムース文庫)を発見。これは知らなかった。話は佐藤泰志さんの『海炭市叙景』映画化のことに及び、知ったかぶりの私は岡崎さんの言葉を遮ってのペラペラとおしゃべりを始める。いやはや恥ずかしい限り。ここであのNOTE BOOK(300円)と詩集(500円)を購入。あれれれ、まだ古本は買っていないじゃないか。
 以後あっちへ寄りこっちで留まりで、どんどん鞄が持ち主の腹と同じ形になっていく。
 で上記以外には、最近読んだ『ナシュナリズムの迷宮』が面白かった佐藤優さんの『獄中記』(400円)。たまには大テーマに直面するのもいいかもと山内昌之さんの『文明の衝突から対話へ』。すれ違ったことがあるお二人なので川本三郎さんと鈴木邦男さんの『本と映画の「70年」を語ろう』。いつもいい本を読んだなぁと思う坪内祐三さんの『アメリカ』(500円)。『歩くひとりもの』というタイトルの本が好きなのでついでに津野海太郎さんの『歩く書物』。「本の旅人」の連載が面白い森達也さんの『世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい』。そしてそういえば一冊も持っていなかったなぁとアンディ・ウォーホルの画集を購入。
 締めておいくら万円かな、と家に帰って家人のなにやら不穏な顔つきを眺めつつ合計金額を計算しようと思ったら、ほとんどの本に価格が書いてないではないか、小児科。そうかそうか、越谷、春日部。つまり購入部数によって割引したり、閉店間際に安売りセールがあったりするから価格は書きにくいのだろう。脳味噌を絞って記憶を辿り、おおよその計算結果は、みちくさ市よ、ありがとう。アナタは持たざる物の味方です、でした。今度また行こうっと。

みちくさ市で買った本やプログラムやバッジなどなど。これからじっくり味わいます。