台風過ぎて、視界晴れる。

 昔、きっと誰でもそうだと思うけど、ニュースなどで「台風一過」と聞くと「台風一家」だと思っていた。ニジリ鉢巻の頑固親父とドッシリかまえたお袋さん、そしてその周りにはワーワーギャーギャーいって走り回る子供たち、そんな一家が「台風一家」。ハイもちろん小さい頃のことですよ。
 で、台風一過だけど、台風以外に一過が続くのってあるのかなぁ。あっと辞書、辞書、ええと、例として「一過性」なるほど、そして「下痢」、ええっ知らなかった。しかし前に何かが付くのは手元の辞書には載っていなかった。
 さて、台風一家、じゃなくて台風一過、かっと照り出した太陽の下へと散歩に出掛けたのでした。いやはや前置きが長い。まず見つけたのが、風に倒された公園の樹木。かなりの太さだけど、根元からドカッと2本も倒れていた。近くに高層マンションがあるのでビル風のせいなのかもしれない。
 公園をさらに歩くと道いちめん葉っぱ。もちろん落ち葉などではなく、まだ青々としている葉や杉の小枝も落ちていて風の凄さがわかる。
 そして土手に上がると親水公園ではなくて、水浸しのゴルフコース。まあ河川敷のコースなので台風のときにこうなるのは避けがたいのだが、なにやら風光明美な感じもする、いやごめんなさい。
 しかし、あれが一過して特に思うのは空気の美しさだ。夕陽の美しさや夜の街の灯りが昨日とはまったく違って見える。なにも台風に頼らなくてもいつもこんな風に見えてなくちゃいけないはずなんだけどね。