クラフト・エヴィング商會を「よむ」その六

oshikun2009-10-14

アナ・トレントの鞄』
クラフト・エヴィング商會

 そろそろネタも無くなってきたかな、と思った瞬間にこの本が出た。アナ・トレントとはそごんじビクトル・エリセ監督の『みつばちのささやき』の主演子役の芸名であり本名でもある。彼女が映画の中でもっていたのはクラシカルな茶色い革製四角い小さい鞄だった。学校へ行くと持っていたので、たぶん教材を入っているのだろえうけれど、唯一彼女がそこから出すのは、脱走兵をかくまって渡すリンゴだった。
 実は同様のそれよりはかなり大きな鞄を持っていた時期があった。学生時代に生活費を稼ぐためか自分を本を売っていた先輩がいて、その何冊かを買うとついでにそれをいれてきた鞄も買ってくれないかという。それ以来それは通学鞄となった。
 さて、タイトルは『アナ・トレントの鞄』だが、彼女が演じたのはただアナという名前の少女で、トレントという姓はどこにも出てはこない。まあそんなところに突っ込んでもしょうがないのだが。
 この本、この鞄に入れてクラフト・エヴィング商會仕入れたものを紹介するということだ。しかしいままでの諸作からはかなり抽象性が高くなって、事実ちょっととっつきにくい。もしこれが売れたのなら、かなり割合でアナ・トレントが貢献していることだろう。なぜって、かくゆう私がそれに食いついてしまったのだから。★タイトル横は最後にアナ・トレントの鞄を紹介しているページ。でもどうして自分の鞄に自分の顔写真を入れているのだろう。