ふかまりゆくもの そのいち

oshikun2009-10-23

 床屋談義 01
 先日床屋さんへいった。そしていつもながらの会話である。
「もう10月も終わりだね」
「そう、歳を取るごとに一年が終わるのが早くなりますよ」
「そうだね。昨日、雑煮喰ったばかりなのに」
「いゃあ、でも前におっしゃてたじゃないですか。一年の短さは人生を分数にしてみるとわかると」
「えっなんだっけそれ」
「ほら、人生の年月を分母にして、一年が分子、すると歳を取るごとに数字がちいさくなっていくって」
「そういえばいったような気がするなぁ」
「そうでしょ。人は人生を積み重ねていくから、その持ちだけ一年を短く感じる」
「ということは、50歳の人の一年は10歳の子の一年の五分一なわけだ」
「そうそう」
「そういえばまだ2月ぐらいの気分だもんなぁ」
「70歳になったら、2月の中頃には大晦日ですね」
「まあ、そのあとすぐに永遠なんだけどな」★写真は近くの公園の池に映る紅葉。真ん中あたりにこのサイズだとよく見えないけど、釣り人の浮きがある。タイトル横はその実像。