とぼとぼ映画雑言ロード 03

『荒野の用心棒』
 もちろん黒沢明監督の『用心棒』の無許可リメイクである。しかしなぜ彼がこの街の人をここまで殺したいのかよく分からない。ともあれ、一人が大勢を殺していくテクニックを楽しむ映画。あまりいい趣味とはいえないと思う。メキシコ系の一家を救うためならそこまでしなくてもいいのに。クリント・イーストウッド主演。
ロバと王女
 つまらない映画10選、これで何本目だったっけ。カトリーヌ・ドヌーヴの美しさを十二分には表現していない。原題は「ロバの皮」だそうだ。
『女ともだち』
 あのミケランジェロ・アントニオーニとは思えないほどに分かりやすい映画。でも喧嘩した30秒後には、もう仲直りしてしまうような登場人物の存続的感情発露にはついてはいけない。でも女性たちはみんなかわいい。
『荒馬と女』
 マリリン・モンロークラーク・ゲーブル最後の映画。彼女には老いの気配がする。彼は老いと戦うために荒馬に挑む。そうそうモンゴメリー・クリフトも出ています。一番無名のイーライ・ウォラックがいい味を出している。この時代の映画は美男美女が多いだけに逆に彼のような存在が貴重なのだ。そしてなんと彼が次に観た映画に出ていたのにはビックリ。
『続・夕陽のガンマン
 前記イーラン・ウォラックが登場している。まったくテイストが違うし、かなり制作年度も異なるので同じ俳優とは思わなかったのだけど、エンドタイトルを見てビックリした次第。映画は南北戦争の中、原題通りにいい奴と悪い奴役と卑劣な奴が金塊を求めて、追いつ追われつする展開。セルジオ・レオーネは火薬の使い方がうまい。ちょっと長いけれどあまり飽きはしない。最後の三人での「決闘」シーンは見事だ。
『怒りの河』
 ジェームズ・ステュアートが主演の西部劇ってかなりあるが、彼って西部劇向きの顔ではないような気がする。戦争映画か、あるいは当然ヒッチコック映画に向いている。ということで幌馬車隊モノの西部劇。まずは冒頭のインディアンが弱すぎるし、中ほどの空には飛行機雲が見えたような。と気になる点はあるけれど、ちゃんと楽しめる作品であることに間違いはありません。そしてマクリントックという名前の主人公。ジョン・ウェインの映画との関連はどうなんでしょうか。
『チャンス』
 いい映画です。ピーター・セラーズの味わい深い演技がいい。こんな風に自分に都合に合わせて人の言葉が解釈されていることってあるよなぁ、と考えさせられる。『白鯨』や『シービュー号』のリチャード・ベースハートがロシア大使役でちょっと出ている。おひさしぶりです。
博士の愛した数式
 数学の魅力を紹介する映画なのでしょうか。それだけが印象深い。家政婦が勤める時間が何時間かは分からないが、8時間とすると、6回の記憶のリセットがあるわけで、それをどうこなすが肝なのだけど、それを描いてはいなかった。しかしとても80分だけの記憶には見えないなぁ。それに家政婦が深津絵里でなかったらどうなっていただろう。
『レディL』
 奇想天外な展開。ソフィア・ローレンとポール・ニューマンの組み合わせも妙。まあ映画としてはローレン的な味付けで、なぜニューマンが必要なのだろうか、という感じ。ディヴィド・ニーヴンはチトかわいそうな役。冒頭に出てくる車の運転手の落ちは、ありがちだがまあ許そう。
『MR3000』
 3000本ヒットの記録で引退した選手が実は3000本を達成していなかった、さてどうしようという映画。最後の犠牲バントがいい。大切なことを大々的に教えるというアメリカ映画の本道をいく、コメディでありながらややエラソーな映画だ。
※西部劇が多いのは、たまたまこの時期に某放送局が放映したからです。もちろん西部劇ファンではありません。