とぼとぼ映画雑言ロード 04

『ローマで起った奇妙な出来事』
古代ローマを舞台にしたドタバタ喜劇。バスター・キートンがいい感じの役で出ている。それもちゃんとあのいつもの顔で。彼の遺作とのこと。ちなみにベッドのシーンに蝿が出てくるけど、あれって作為的なのだろうか。
プライドと偏見
 美しい映画だけど、で何って感じかな。どうもお金持ちが悩む映画は好みではないみたい。まあ、キーラ・ナイトレイと全体の雰囲気はいいんだけど。
『星空の用心棒』
 ジュリアーノ・ジェンマの映画は初めて。ひとりの知恵者がいろいろと策略を組み、そして最後はめでたしとなるよくあるタイプの映画。ただしこれはそれほどめでたしでもないのだけど。最後の発砲シーンは勢力的にも不自然だよね。
『カーリー・スー』
 はい、いい映画です。展開のきっかけは『チャンス』と同様ですね。こちらは最初が意識的なのだけど。で、やっぱりこのような「心なごむコメディ映画」を作れるのは、たぶんその素質のあるアメリカだけ。悲惨さのない「親子」ホームレスって、ここ以外では無理でしょ。でももうお腹いっぱい。こういうのはたまに観るからいいのです。
『ザ・ダイバー』
 もっと水中の映像が欲しかった。そうすれば主役がダイバーにこだわることの意味が強調できたと思う。逆にいうと観客はどうして主人公がダイバーとしての人生に執着するのかが分からないのです。ええと、それからシャーリーズ・セロンがよかったのです。
キング・アーサー
 伝説の大胆な解釈ということです。なので、これはイギリスという具体的な場所の歴史物語ではなく、『ロード・オブ・ザ・リング』か何かのように、御伽噺として観ればいいのでしょう。キーラ・ナイトレイの現地ファッションが似合っていました。ところでキング・アーサーって、もともと中部ヨーロッパから拉致されて兵士にされた人々のひとりで、それが長じて騎士団の長となり、やがて王となるのですが、その流れの最後の展開がいまいちピンとはこないのです。
ウィンブルドン
 ちょっと年取った男性への応援映画。リジーブラッドベリーはかわいいのだか、そうでないのか、よく分からない女優だけど、表情はチャーミングだね。でも、主人公が勝つなんて思わなかった。幸せいっぱいのエンディングも含めて、こんな安易なラストでいいんでしょうか。主演男優は『マスター&コマンダー』の「生物学者」です。
『熱いトタン屋根の猫』
 古い映画なのに、色が綺麗。それがエリザベス・テイラーを引き立ててくれる。ポール・ニューマンはずっとウイスキーを飲み続けている。それなのにあのシラフぶり。アル中というのはそういうものなのだろうか。結局またまたお金持ちのお悩み映画で、ありていの親子の和解でエンディングなのだが、このあたりの深みがまったくない。あえていえば、兄の家族が揃いも揃ってみんなとてもヒドイ。これだけひどければ父親も息子の弟の方と和解したくもなるだろう。
イノセント・ボイス
 中米の政治状況が一般の人々にどう影響を及ぼしているのかを描いた映画。ここのところの最大の収穫。最初はつらい映画だ、録画しなけりゃよかったと思いつつ観ていくが、やがてグイグイと惹き付けられる。もちろん映画的な面白みもしっかり込められている。無垢な大人たちもいい。風船を夜の空に放つシーンもいい。そし主張をせずただひたすら丹念に仕上げていく姿勢もいい。
リオ・ブラボー
 タイトルだけは有名だけど、どんな映画かはまったくわからなかった。で、観た。ウーム、やはり記憶に残らない映画だろうな。最初の殺人があまりにあっさりしている。この出来事が後に数十人の殺害まで及ぶのだから恐れ入る。しかも最後のシーンの「戦い方」って、ずるいのは主人公側ではないか。ジョン・ウェインらしくないぞ。他にディーン・マーチン、リッキー・ネルソン。