いくつかの虹

 二日続けて虹について書いてきたので、最後に虹についての走り書きです。
 先ほど、たまたまCDの『DIZZY ATMOSPHERE』を聞き始めると、ナントおまけトラックとして『虹の彼方に』が入っていました。この曲はジュディ・ガーランド主演のミュージカル映画オズの魔法使い』の主題歌ですが、お恥ずかしいことに実はちゃんと観てません。しかしとてもいい曲なのです。
 そこで他のジャズプレイヤーは演奏していないかなぁ、と寺島靖国さんの『辛口!JAZZ名盤1001』を開き、バド・パウエルとショーティ・ロジャース&ジェリー・マリガンを、そして自力でアート・ペッパーの演奏を発見。続けて聞いてみると、今の気分にはまるのは、ちょっとだけフリーキーなペッパーの一曲でした。家人は「へたっぴだね」といっておりますが。
 音楽としては他にPPMの『虹と共に消えた恋』が思い浮かびます。原題は『GONE THE RAINBOW』。訳詞を見ると「亜麻を売り、車を売った 愛をたくした鋼鉄の剣を買う為に 戦いの中で彼が振るえるように ジョニーは兵士になった・・」とあります。『悲惨な戦争』や『ジョニーは戦場に行った』と同様、彼の名は戦場に行く男の「代名詞」になっているのでしょうか。
 そういえば同じ『虹の彼方に』という高橋源一郎さんの小説がありましたね。『さようなら、ギャングたち』はかなり楽しめたのに、こちらは少し「難解」でした。しかしもう内容はほとんど覚えていなくて、ただ「楽しんだ」ことと「よくわからなかった」ことの記憶が残っているだけなのですが。ただ『虹の彼方に』の装丁は気に入っているので、写真をアップしておきます。
 さらに以前書いたことがありますが、プロローグの写真の中にある佐藤泰志さんの『虹』はとても美しい作品です。どのように美しいかは、虹の美しさを表現するよりももっと難しく、私の筆力では及ばないのが残念です。