空を想う力

 夕暮れ時、西の空に3本の光のすじが現れた。
 頭を使って考えてみれば、それは旅客機の航跡だということがすぐにわかるのだが、
 私の稚拙な空想力では、その先っぽに何百人もの命が乗っているとイメージすることが、どうしてもできないのだ。私の飛行機搭乗への恐怖心は、もしかすると飛行機を見上げるときの想像力の欠如から生じているのかもしれない。