十年前の住まい探し20

oshikun2010-03-02

 別のメガネとしての営業マン
 さて、話はまたマンション「鷺宮B」に戻る。
営業マンの八嶋智人似クンも大変である。この項目の17で書いたように、上司の営業部長氏のおかげで、彼の営業努力も海の藻屑と消えてしまったのだから。
 ただ一言を付け加えて置きたいのだけれど、私はこの「鷺宮B」を気に入ってはいなかったので、結局購入することにはならなかっただろう。そして最初に訪れたときに、もし「営業部長氏」に案内されていたら、2度とそこに行くことはなかったはずだ。内装ができた機会に出かけたのは、八嶋智人似の営業力によるところだったということになる。
 不動産を購入する際に見るべきものは、とうぜん物件であって営業マンではないことは百も承知だ。しかし私は「鷺宮B」のようにほぼ出来上がっているのる物件でも、さらにまだカタログしかない物件でも、まず担当営業を見ることにした。別に私は考えてそうしたのではなく、いくつかの物件を見てきた自然とそうなったのだ。担当営業の案内が必要ないのなら、カタログとインターネット情報だけで選べばいい。
 逆にいうと担当営業は、カタログや図面以外の情報を伝える媒体なのだ。これをその物件をよく見るための「メガネ」だとすると、「営業部長氏」は、度が強過ぎるメガネだったということになる。もちろん、その度がちょうどいい人もいることだろう。現在では極めて少ないと思うけど。
 八嶋智人似からの別の物件へのお誘いは一週間ほど後だった。数日後に現地へと赴く。中野ブロードウェイの近くにある営業所で彼と待ち合わせて、彼がいうところの個性的マンション「中野A」を見に行ったのだ。さてどんな個性なのだろうか。